最近、友人と「メディアアート」が何を指すのかについて話していた。
メディアアートとは、映像、音響、コンピュータ、インターネットなどのデジタル技術を活用した芸術のことをいう。伝統的なアートとは異なり、新しい表現方法やインタラクティブな体験が可能になる。
そこで、ふと思ったのが「メディア」が何を指すのかということだ。
まず、私がすぐに連想する「メディア」は、新聞、テレビ、雑誌、ウェブサイトなどである。これらは報道機関やライターなどの情報発信者が情報を掲載して伝達する媒体だ。新聞やテレビは「マスメディア」とも呼ばれる。
しかし、工学系の理系の友人からすると、USBやSSD、ハードディスクなどのメディアも思い浮かぶという。パソコンを使っていると、よく「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」という表現が見られる。
メディアは「情報を伝える手段や媒体」のことと定義される。
だから、新聞やテレビは文章・写真・映像などによって情報を伝達するメディアだし、USBもデータを保存して伝達するツールだからメディアといえる。
だが、それなら、伝統的な絵画もメディアだ。絵によって情報を伝えている。
ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』は、写真が一般的ではない時代にフランス革命についての情報を伝達しているメディアだ。
情報伝達のツールであるUSBや新聞紙、雑誌のページそのものもメディアと言えるなら、情報伝達をするツールである絵の具や鉛筆もメディアといえる。
それでは、メディアアートとは一体何なのだろうか。
さらに、鉛筆の表面には「HB」や「●●工業」などの硬さやメーカーの情報が印刷されているため、鉛筆もメディアとしての役割を果たしている。また、文字に書かれていなくとも、緑色の鉛筆ならば、緑という情報を伝達している。
私の机の前に置いてある観葉植物も緑色の葉を持っており、緑という情報を伝達している。
パキラという品種名も伝達している。葉は6枚で1組だ。5枚や7枚で一組の株もあるらしい。
確かめたわけではないが、これは遺伝子によって決まっているはずだ。
つまり、パキラが6枚1組の葉をつけるパキラは、その形質を発現させる遺伝子のDNAの塩基配列の情報を伝達している。
私自身も目や肌の色、声、身長などとありとあらゆる遺伝情報について伝達しているメディアであり、私の香水も香りとその香りを発散させる化学物質の情報を伝達しているメディアであるし、空も太陽の位置や光の拡散具合といった情報を伝達しているメディアだ。
このように考えれば、何一つ情報を媒介しないような存在がこの世に存在しているだろうか。
この世の物質すべてがメディアといえる。
そして、やはり疑問に思うのが「メディア」とは何かということである。
コメント
メディアに関するブログ拝見しました。伝達媒体の事ですが、りなさんの解釈、なるほどですね!深い考察するりなさんらしい説明、納得です。りなさんの考察力くしし、ロンドン生活を題材に小説書かれたら、面白いと思いました。興味深くブログ拝見しました。それと御指摘の絵画、確かルーブル美術館で見た記憶があります。大変印象深い絵画ですね。
ありがとうございます。りなさん、いつも応援しております。お元気でお過ごし下さい。