勉強することが最も確実な投資ではないか

先日、節約上手かは知識の量と質に比例するというブログを書きましたが、収入を増やすうえでも知識は欠かせないと思います。

というか、本当に知識がある人は、概して、支出を減らすのではなく、収入を増やして、お金の総額を増やそうとするのではないでしょうか。

たとえば、税理士は、自分が節税するより(してるだろうけど)、他人の節税に協力することでお金を稼いだ方が、効率的にお金を増やせます。彼らの仕事は知識の提供です。

税理士に相談するのは、1時間1万円くらいからが相場だと思います(たぶん)。
果たしてこれは高いのか。

本を読めば安上がりです。それはそのとおり。
ただし、自分にとって最適な節税方法がどのようなものかという情報を見つけて、その情報の合理性や正確さを判断するためには、税金について何十時間も勉強しなければなりません。また、自分がすべての情報や判断材料を保持しているか否かは見極めづらい。Unknown Unknownなんていくらでもありますからね。

わたしは新卒でフリーランスになりたかったので、大学を卒業する年の3月に、税金についてそれなりに勉強しました。1ヶ月くらい1日2、3時間勉強したかな。それでも、上手く節税できていませんでした(と後に税理士に相談して判明しました、先日のブログ参照)。

近々、東京都の最低賃金が1113円/hになるらしいです。1113円×2時間×30日=66,780円。
1ヶ月毎日2時間勉強するより、最低賃金でバイトして、税理士に相談したほうが随分安上がりです。

まあ、知識と筋肉は一生物らしいので、知識をつけることにはメリットがありますが、時間とお金の単純計算では税理士に頼んだ方が安く早く正確な情報が得られる可能性が非常に高いです。

そして、フリーランスや個人事業主、経営者の場合、本業に専念することが最も大切なので、税金について深く深く知る必要があるかというとそうともかぎりません。

お金を出して税理士に依頼したほうが、結局は収入に繋がりますし、余計なトラブルに巻き込まれることからも回避できます。

弁護士は法律の知識を持っていて、それを他者に提供することによってお金を稼いでいる。
医師は医学に関する知識を持っていて、(以下同文)。
弁理士は知的財産に関する知識を持っていて、(以下同文)。
教師は特定の科目における知識を持っていて、(以下同文)。

知識があれば、お金が稼げます。そして、知識を得るためには勉強が必要です。
そのため、お金を稼ぎたければ勉強すればいい。シンプルですね。オッカムの剃刀です。

「オッカムの剃刀」は「ある事柄を説明するために、必要以上に多くを仮定するべきでない」とする考え方です。

これは、同じ現象を説明する二つの理論があったときは、より単純な理論のほうが正しい可能性が高いということでもあります。

成功への近道は、もっともシンプルな道を歩むこと——つまり勉強することではないでしょうか。

現在読んでいる『科学者はなぜ神を信じるのか』という本で、天動説と地動説においてオッカムの剃刀が言及されていたので、引用してみました。

この本を読むのは2回目です。ヨーロッパというキリスト教が重要な役割を担っている(もしくは担っていた)場所に住んでいるので、少し神学を勉強しようかなと思って再読中です。かなり良書です。

わたしは知識欲が強い方なので、税金について勉強したり、神学について勉強したり、科学について勉強したりしていますが、これが直接的に収入に結びつくかというとそうではありません。

たぶん、プログラミング言語やPhotoshopの使い方や弁理士試験の勉強をしたほうが、すぐに仕事や稼ぎに繋がります。

しかし、ライターという職業は、ひとつの知識だけを極めたスペシャリストだけでなく、広く物事を知るジェネラリストも重宝される仕事です。だから、どんな知識も無駄にはなりません。少なくともそう思っています。

直接的な稼ぎに繋がるか否かは脇に置いて、勉強して知識を得るという投資は、もっとも確実に見返りが得られる最高にして最適な、お金と時間の投資方法なのではないでしょうか。