わたしは講談社から出版されているブルーバックスという科学系の新書シリーズのファンです。
ブルーバックスは、基本的にその分野の第一人者によって著されているシリーズで、他の新書がそうであるように、その分野の知識がない人でも理解できるように書かれています。
ブルーバックスは理系の人ならば一度は読んだことがあるのではないでしょうか。
一部、サイエンスライター等が執筆している本もありますが、基本的には科学者・研究者が著者です。そのため、情報の正確性という面で非常に信頼性が高いです。ただ、科学者はライターではないので、わかりにくい本もあります。
わたしは(自称)サイエンスライターですが、強い分野と弱い分野があります。
例えば、力学は全くわかりません。F=maという公式しか知りません。ただ、この程度の初学者でも、ブルーバックスならば力学の書籍を楽しめます。
ブルーバックス以外の科学系の書籍の場合、偽の情報や筆者の解釈ミスが多々散見されます。
自分の強い分野だったら、間違いに気づけますが、そうでない分野だったら鵜呑みにしてしまいかねないから非常に危険。
本に書かれている情報が正しいとは限りません。
インターネットの情報が正しくない可能性があることは、メディアリテラシーにおいて頻繁に話題に挙がるので広く認知されていますが、大手出版社から発行されている書籍に堂々と間違いが書かれていることはあまり話題に挙がりません。
というか、出版社やメディアが自ら、自らの発行物にミスがある、なんて豪語はしませんしね。
しかし、とくに科学分野ではそれが顕著だと思います。出版業界で働く人やライターには文系の人が多いため、理系分野が話題の発行物の正確性が低くなりがちです。
また、科学という学問の特性も関わっています。
科学は、とある事象の合理的解釈を理論と実験によって解明していく分野なので、間違いは間違いです。社会学や人文学だと、あまりに突飛な意見であっても「一理ある」という位置づけがなされますが、科学では証明されているか否かという点で白黒はっきりしています。
科学は、わからないものは「わからない」とはっきり述べる学問なので、文系の諸学問と比べて、非常に謙虚な学問です。
また、科学は常に進歩し続けているため、情報が古くなるのが早いという理由もあります。新たな事実が解明されると、古い事実は「間違い」ということになる。しかし、書籍はそう頻繁に改訂されるものではありませんので、間違った情報が残ります。
このような理由から、書籍にも間違いがたくさん記述されているため、自分の造形の浅い分野は、まずブルーバックスを読むようにしています。
わたしは100冊くらいブルーバックスのKindle本を所有しています。
紙の本でも所有していたのですが、ロンドンに引っ越すときに、すべて処分してしましました…
Kindleは時折セールをしており、定価の半額くらいで購入できるときがあります。そういうときに、たくさん買い込んで、気が向いたときに読むのが、わたしのブルーバックスの楽しみ方です。
たまに、「この本面白そう」と思ったら、すでに購入済みだった、なんてことがよくあります。
どの本を買ったか、覚えてられないんですよね。記憶力が悪いのだ。
最近も、ブルーバックスのセールがあり、1冊が500円程度で購入できたので、数冊購入しました。
でも、今月はまだ1冊も読んでいないので、購入速度が読書速度を上回っています…
昨日のブログで、即時的に役立ったりお金儲けに繋がったりするわけでなくても、知識は一生もので、勉強することが最大かつ最適な投資なのではないかと書きましたが、ブルーバックスはわたしにとってまさにそれで、仕事でも使わないし、なんなら難しい本は非常に難しいけれど、知っていたらいつかは絶対に役に立つ、そしてわたしの人生の幅を広げてくれる存在です。
といっても、勉強というより娯楽として読書していますが。
科学論について知りたい方は、下の2冊がおすすめです。
1冊はブルーバックスで、もう1冊は元・名古屋大学の准教授・森博嗣氏の著作です。
コメント
ブログ拝見しました。りなさんは、科学が大好きなのですね。100冊も蔵書あり、驚きですね。それらを駆使し、ロンドン生活をベースにした小説書かれたら如何でしょうか?多くのフォローアーがえられる可能性ありますね。りなさんの名文駆使した小説楽しみです。いつもりなさんの名文楽しみにしていますね!ありがとうございました。