「おつかれさま」をどう英語に訳すか

わたしは日本に住んでいるときから、外国人の友人がそこそこいました。

彼らとは英語で話すけれど、日本に住んでいる外国人は頻繁に使用される日本語の表現は知っているので、使い勝手がよい日本語の単語は使っていました。

例えば「おつかれさま」。

直訳すると、You are tired. 訳がわからなくなりますね。疲れていない人にも「おつかれさま」と言いますしね。

それから、ビジネスメールの決まり文句「いつもお世話になっております」。DeepLに入力してみたところ、We are always happy to help.という訳の提案。いや、違うでしょう。

この表現も同様に、お世話になっていない人にも「お世話になっております」と使うからタチが悪い。

まあ、英語のお決まりの表現は、”Hope this email finds you well.”ですね。これは逆に日本語に訳せない。「いつもお世話になっております」と同じように、条件反射的に使用されるメール1の表現ですね。

このような言葉や概念は英語にないので、日本では外国人と英語で話すときも「See you tomorrow! Otsukaresama!」とか言っていました。

しかし、今、わたしはイギリスに住んでいます。イギリス在住のイギリス人は、こういう日本語特有の表現は知りません。そのため、こういった日本語の微妙なニュアンスを伝えたくても、伝えることができない。

イギリスにも、日本語を勉強してひらがなくらい読める人はいるし、日本を旅行したときに「ありがとう」や「おいしい」という言葉を覚えた人はいます。

しかし、「おつかれさま」や「お世話になっております」という語は、日本に住んでいないと覚えません。いかに日本の社会人が毎日使う表現であったとしても、ガイドブックや初歩的な参考書には書いていない。日本は極端なハイコンテクスト・カルチャーなので、そういう面でも配慮が必要。

こういうreal life Japan的な情報を外国人向けに英語で発信しようという試みが、わたしの最初のYouTubeチャンネル「Lina’s Japan Journal」でした。後に日本文化にフォーカスした同名のウェブサイトも開設しています。ほったらかしだけど。

イギリスに住みはじめて、コミュニケーションや文化の面で苦悩することもあります。

そこで、日本人の考え方や精神、外国語に訳せない言葉や、直訳や概念が英語に存在しない日本語などなど、日本についての外国人向けの情報発信を再開しても良いかなあと思案中です。

森羅万象、一長一短、帯に短したすきに長し——。外国に住むことで、日本に住んでいたときの苦悩からは解放されましたが、外国に住めば外国に住むが故の苦悩が生じますね。苦悩というか、煩悩?

でも、まわりに日本語がわかる外国人がいないが故に、楽しいこともあります。

イギリスでは、日本語で「面倒くさいな、この人」とか「ホント最悪だあ」とか言っても、誰も理解しません。なので、いくらでも悪態がつけます。

イギリス人の眼前で「Mendokusai」と本気で言ったこともあります。もちろん、意味は内緒です。

とりあえず、今後も、そいういイギリスでの日常諸々をブログでシェアしていきます。

  1. 「メール」って英語では「郵便(物)」の意味なんですよね。なぜ日本人はEメールの意味で「メール」と言うのだろうか。ちなみにイギリスの民営化された郵便配達サービスはRoyal Mailです。創始者はかのヘンリー8世。しっかりと仕事もしてたんだなあ。

コメント

  1. ブログ拝見しました。滞英中、私はお疲れ様をthank you for your working.と訳し、使用しました。仕事終わりに、チームに声掛けした記憶があります。りなさんの語学力、感服しております。日本でどのように
    マスターしたのか、ご教授頂ければ、幸いです。興味深いブログ拝見しました。ありがとうございました。

  2. りなさん、ご提案です。りなさんの日本での英語習得ブログを発信されたら、如何でしょうか?私もりなさんの英語習得方法知りたいです。ブログ視聴者も同じ希望あると思います。ご検討頂ければ、幸いです。
    よろしくおねがいします。ごきげんよう。