ボランティアの「矛盾」として時折、(たぶん)指摘されていることに、畑違いの人間がボランティアをするよりも、寄付をした方が効率性が高いという事象があります。
例えば、1日で2万円を稼げるエンジニアと、1日に1000個パンを焼けるパン屋さんがいたとします。
貧しい人のためにボランティアがしたいと思ったエンジニアは、ホームレスに配るパンを作るボランティアに参加しました。しかし、エンジニアはパン作りははじめてなので、1日に100個しかパンを焼けません。
しかし、彼はエンジニアとして1日2万円を稼げます。
なので、彼が1日、エンジニアとして働いて、2万円をボランティア団体に寄付して、ボランティア団体が1日に1000個パンを焼けるパン屋さんを1日雇ったら、パンは100個の代わりに1000個になります。10倍です。たくさんの人がお腹を満たせます。パン屋さんは収入も増えます。
しかし、ほとんどの人は非効率でありながらも、自分がボランティアをして、100個だけパンを焼くことのほうを選ぶんですよね。
先日の夕方、トラファルガー広場のあたりを歩いていると、行列を発見しました。まだ、観光客気分が抜けないわたしは、何の列だろうとのぞいてみると、貧しい人にパンを配るボランティアに並ぶ列でした。
ロンドンは、世界有数の豊かな街である一方、貧困が蔓延っています。
いま少々時間があるので、ボランティアでもしようかなと思ったのだけれど、わたしがボランティアをするより、バイトをして寄付をしたほうがいいのではないかと思いました。
でも、バイトはそれほど楽しくないし、だからといってボランティアが「楽しい」わけではないとは思うけれど、新しい体験だし、直接自分が社会貢献していると思えます。だから、パンが10分の1になるかもしれないけど、ボランティアをするだろうなと思って、やっぱり人間って合理的ではないなと思ったりしてるところです。
また、寄付には、寄付した団体がしっかりと資金を有効活用しているかもわからないという問題もありますね。
似たような事例に、患者が医者にだけ感謝するケースが多いということも挙げられます。
たしかに医者は薬を処方するし、手術をするけれど、薬を開発した研究者や、手術用の医療機器を製造しているメーカーはそれほど感謝されません。薬や医療機器がなければ医者はほとんど無力だというのに。
どこかでブラック・ジャックが「メスがなければ外科医は無力だ」とか言ってた気がする。
ブラック・ジャックは好きな漫画トップ5に入る漫画です。読み返したいな。でも、紙で持っていたコミックは、イギリスに来るときにすべて売ってしまいました。売る前に、少し読み返してたんだけど、やっぱり面白い。あの、遣る瀬ない感がなんともいえなくて好きです。ブラック・ジャックがかっこいいエピソードよりも、挫折するエピソードのほうが好きだったりする。
そうそう、本ブログのサイトでRSSの出力に欠陥が生じていました。Wordpressを使用しているのですが、好みにカスタマイズしたくてPHPをいじってたんですよね。それで、どこかが悪くなって、悪くなった部分を発見できなくて、どうしようもないので、バックアップを取って、子テーマを再インストールして、やっと直りました。2日がかり、計8時間くらい無駄にしました。
でも、結局、PHPをいじってやりたいことはできていないし、PHPはコピペのレベルでしかカスタマイズ力がないので、もっともっと読者が増えたら外注に出します。その方が早いし、正確だし。
イギリスの最低賃金で8時間働いたら、10.42ポンド×8時間で83.36ポンド。日本円にして1万5000円以上。多分、クラウドソーシングとかだと、外注できる金額です(しくしく)。
下手に、自分で何かをしようとしては、無駄が多く、合理的でもないですね。
コメント
今回のブログは分業制の由来ですね。りなさんは日々色々考えるのですね!考え過ぎは精神衛生上、あまり良くないと思います。ご参考までですが、あまり頭に負荷掛けないようにお過ごし下さいませ。ロンドン生活楽しく、お過ごし下さいませ。