イギリスはとても寒いです。東京の真冬って感じな日々が続いています。なのですが、住宅はセントラルヒーティングなので、家の中では半袖で、夏と同じ格好です。
イギリスのセントラルヒーティングは、建物全体に熱湯の管を通して部屋を暖める暖房システムです。
こういうのが各部屋にあって、これの中にお湯が入っていて、それが建物全体を温めます。壁や床の管からの熱でも部屋は暖まるようです。わたしの部屋も一角だけ、床暖のようになっている場所があります。
このセントラルヒーティングの欠点は、光熱費が非常に高くなること。そして、一酸化炭素中毒の危険があることです。なので、イギリスの家庭の多くには一酸化炭素探知機が設置されています。
大家さんに一酸化炭素探知機はあるかと聞いたら、英語が通じませんでした。大家さんは母国語が中国語なんですよね。一酸化炭素中毒についてしっかりと説明できる英語力がわたしにあれば良かったのですが、ないので、「あ、そう」と言って会話終了。
冬が本格化してきて、ボイラーがフル回転になるにつれ、ずっと一酸化炭素中毒がとても心配だったので、Amazonのブラックフライデーのセールで一酸化炭素探知機を購入。一酸化炭素を探知したら、警報を発して教えてくれる製品です。
英語の説明書読むのが非常に面倒だと思ってしまうのですが、英語がわからなくても使用しはじめることができるような説明書になっていてとても嬉しい。イギリスのプロダクトには、イラストや図のみで使用方法が理解できる説明書が多いです。
イギリスでは英語がそれほど話せなくても生きていけます。だから、英語が通じない人が非常に多い。通じたとしても、深い会話ができない人が多い。
わたしも英語を読むのが面倒くさいときは、DeepLを使うし、ChatGPTを使います。英語の論文を読むときは、ChatGPTにコピペして、要旨や必要な情報を探してもらった方が10倍速いですからね。
こういう説明書や翻訳ツールやAIは非常にいい。
一方、これは人が能力を向上させる必要がない時代に突入したともいえます。
電卓が登場して、人間が頭で計算を行わなくてよくなりました。電卓は人間の計算力の低下を助長したといえます。これは、人間が計算力を向上させる必要がなくなったと捉えるべきなのか、電卓によって労力が軽減されたと捉えるべきなのか。
わたしは、AIはすごい技術だと思いますが、こういう時代だからこそ、便利なものに頼って、自分の能力を低下させることがないようにしたいと思います。わたしが、あえて脳の運動として(ほぼ)毎日数学の問題を解いているのもそういうわけです。筋トレを続けないと筋肉を維持できないように、数学力なんてすぐに消滅してしまいます。少なくともわたしは。
でも、AIは大いに有効活用しているし、AIが人間の労働の大部分を担ってくれる時代になれば、人間が労働から解放される時代がくると思います。農業や土木や掃除や料理などをすべてAIがしてくれて、このような仕事をしている人は、働かなくてもよくなります。
そしたら、おそらくベーシックインカムのようなものが導入されて、政府が最低限の食べ物と住居を保証してくれると思います。よって、人間は働かなくてもよくなって、一日中、テレビを見たり、テニスをしたり、散歩をしたり、本を読んだりして、楽しく生きていくことができると思います。
そして、AIができない仕事をすれば、貯金ができるということになります。だから、旅行とか高級料理とかを楽しみたかったら、仕事をしなければならない。
しかし、AIができる労働しかできない人は、働ける場所がないので、貯金ができなくなります。そして、政府に一切の生存権を委託することになります。
これはこれで怖い未来です。政府がお金あげないよ、と言ったら、生活ができなくなる。政府のいいなりになってしまう。
だからといって、深夜まで残業して働くことが、果たして「自由」と言えるのか。はたして、クオリティの高い生活を言えるのか。これは、職業選択の自由があるだけで、ある種の隷属ではないか。
最近、仕事について考えることが多くて、色々考えています。
そして、便利なものは有効に活用しつつ、別の部分で自己の能力は衰えないように「筋トレ」し続けなければいけないなと思う毎日です。
コメント
そうですか?イギリスも大分便利になりましたね。ロンドン滞在時は、よく賃貸の設備が壊れ、大家に度々連絡しました。ある時バックヤードの塀が壊れ、修理依頼しました。なかなか対応されず、催促交渉しました。大家さんは近隣のイギリス人で英会話は必須でした。今はイギリスに来てすぐの邦人には朗報ですね。ブログありがとうございました。興味深く拝見しました。