物価が高いからこそ、イギリスに住むべき

昨日のブログでセントラルヒーティングについて書きましたが、先日、ラジエーターがストップして、お湯も出なくなりました。大家さんにメッセージを送っても既読が付かない。そもそも大家さんは電車で1時間くらいの場所に住んでいます。

イギリス人の友人2人にメッセージを送ると「よくあること」とのこと。よくあっては、いけないでしょう。真冬に凍えてしまいます。

この日は、英国稲門会という早稲田のイベントがあったので、心配だったけど、とにかく外出しました。

これまでも、ボイラーがストップすることはたまにありました。しかし、リセットしてみたり、温度調節をしてみたりしたら動き出しました。

このようなことが起こるたびに「もし本当にボイラーが動かなくなったら、あそこのお店にヒーターが売っているから、それを買えば良い」とシミュレーションしていました。

日本には家電量販店がたくさんあって、都心では11時とかまで営業しているし、ドンキホーテとかならばもっと遅くまで営業しています1

でも、イギリスではだいたいどこも20時とかに閉まってしまいます。そもそも、日本のような家電量販店はありません。

そのため、どこに何が売っていて、何時に開店して、何時に閉店するのかをしっかりと把握して、有事に備えていました。

今日が、シミュレーションしていた「ヒーターを買うべき日」だったらどうしよう。稲門会は22時に解散予定。近所のお店はすべて閉まった後です。

地下鉄に揺られながら不安がよぎる……。

もし、寒すぎたら、布団乾燥機で暖を取ればいい。

でも、布団乾燥機は日本製なので、変圧器を使用しなければならない。

変圧器は連続して長い時間使うのは危険。

変圧器を使ったときに、電気回路がショートして、ブレーカーが落ちたこともあった。心配……。

イベントはオックスフォードサーカスのパーティルームで行われました。駅前には、John Lewisという百貨店があります。イベントがはじまるまでに少し時間があるし、ちょっとのぞいてみよう。

家電用品店のコーナーに行くと、コンセントに指して使うタイプのヒーターを発見! 30ポンド。5500±300円か。

安すぎてもすぐに壊れそうで心配だし、高すぎたら買いたくない。そもそもヒーターは、セントラルヒーティングの調子が悪いときの非常用だし。30ポンドは安いのか、高いのか。イギリス人にとって、1ポンドは100円の感覚なので、日本の家電量販店でヒーターが3000円だったら、まあ合理的価格設定だと思うはず。

John Lewisは、Never Knowingly Undersoldというキャッチフレーズで知られているのですが、これは、いわば「最低価格保証します」みたいな感じです。創業は1864年、そして1925年からこのフレーズを掲げているらしい。革新的ですね。セブンイレブンがセブンシリーズを展開しているように、独自ブランドの製品も多数あります。

30ポンドのヒーターは、John Lewisの製品でした。ならば大丈夫でしょう、と思って、購入することに。

30ポンドで心の安寧を買いました。30ポンドよりも精神衛生のほうが大切です。備えあれば憂いなしとはこのことです。

貯金もそうだし、スキルもそうだし、知力もそうだし、人脈もそうだし、能力もそうです。困ったときに頼れるお金があり、知り合いがいること、仕事を失ったときに別の仕事を得られるスキルや知力があること、海外旅行でトラブルにあったときに問題解決ができる語学力があること——。

緊急時ではないときに、緊急時のために、どれだけ備えることができているかが、精神衛生や生活の質において重要だと思います。

まあ、わたしは今回はギリギリだったのですが、もともとボイラーが故障した場合をシミュレーションしていたので、パニックにはなりませんでした。英国稲門会の開催場所がオックスフォードサーカスでよかったです。

百貨店はクリスマス風情が出ていて、クリスマスプレゼントとかクリスマスカードとかがたくさん売ってありました。

そういえば知り合いのイギリス人がお誕生日だったなあ、と思って、バースデーカードも買うことにしました。

カードのセクションに行くと、本当にたくさんの種類のカードがあります。そして、カードを購入している人がたくさんいます。この文化は日本にはないですね。

「誕生日カード」「結婚式」「お祝い」といろいろセクションが分かれているのだけれど、面白かったのは「ユーモア」というセクション。

クスッと笑えるようなことが書かれているカード群です。イギリス人らしいなと思いました。アメリカやドイツでこのようなセクションがあるのか否かは知らないのですが。

こうして、道草をして30分遅刻して英国稲門会に参加。

男性Aさん 「将来、日本とイギリス、どちらに住みたいですか?」
大学生Bさん「イギリスは物価が高いので、日本がいいですかね」
男性Aさん 「物価が高いから、イギリスのほうがいいのではないの?」
りな    「(なるほど……)」

他の方とも、日本は本当に「やばい」という話で盛り上がりました。様々な危機に備えられていないですね。海外に住んでいると、それを顕著に感じます。

John Lewisのヒーターはとても暖かいです。

でも、夜中の12時くらいに、フラットメイトのひとりが何か修理をしたようで、ボイラーが再稼働しました!

ヒーターの稼働時間は1時間くらい。でも、ボイラーが直ったのはよかったし、シャワーが浴びれたのもよかったです。

30ポンドの出費はあったけれど、備えあれば憂いなしなので、将来の危機に備えられたのでよしとします。

  1. 日本人の不健康な生活を助長しているような……。

コメント

  1. ブログ拝見しました。ボイラー直り、良かったですね。私は今、自営の大家で、事業で重要なのは、店子さんからの設備修繕依頼に素早く対応する事だと思っています。ただロンドンでは住宅需要が供給を上回る状態なので、大家さんも修繕依頼にのんびり対応しているのだと推察します。りなさんの心配はつきない感じがして、気掛かりですが、今回のヒーター購入対応の様に、plan Bを用意されるのがよさそうですね。ロンドンは寒いので、体調管理気をつけください。引き続き、健やかにお過ごし下さい。ブログまた興味深く拝見しました。ありがとうございます。

  2. ブログ再度拝見しました。ロンドンは賃貸高く、設備古く、大変ですね。私はドイツ駐在時は、新築を借りました。住心地は最高でした。アパートの裏には、公園があり、最寄り駅は徒歩二分でした。しかも家の前にコンビニがあり、至便でした。ロンドンでは、actonに賃貸借りましたが、賃料高く、古い建物で、毎月なんのかの故障がありました。りなさん、がんばってくださいね!ロンドンでは、みなが、賃貸物件で苦労しております。ドイツでは新築住宅がありますが、ロンドンではまず不可能です。その分ロンドンには、華やかな文化があります。興味深いブログ拝見しました。ありがとうございます。ごきげんよう。

  3. 備え有れば憂い無し。名言です。私は企業人の時、かなりの高給を得てました。今は自営で、家内と二人暮らしでのんびり過ごせるだけのお家賃を毎月得ています。預金と不動産という資産で生活出来ています。備え有れば憂い無しを会得した感じです。若い時からの長期投資のおかげです。りなさんのブログ、名文です。引き続き、楽しみにブログ拝見いたします。ありがとうございました。ごきげんよう。

  4. 備え有れば憂い無しを目指した私の投資姿勢はロンドン駐在から始まりました。四年の駐在で、現金貯め、帰国後、今の板橋区の中古木造戸建を現金で買いました。銀行勤務時、ローンを組むのは、非常に損だと痛感していたので、現金で買いました。これで、アパート借りが終わり、毎月の家賃15万円を預金にまわして、一棟目アパートを買う資金としました。帰任後、外資企業に転じて、給与がほぼ倍になり、ボーナスも全額預金し、アパート購入資金を貯め、現金でアパートを購入しました。二棟目は一棟目のアパート家賃を全額預金し、やはり、現金で購入しました。この間、約10年掛け、現在の生活基盤築きました。今は3人の子供皆自立し、家内との二人暮らしです。しかし、若い時の暴飲暴食から、糖尿病を発症し、脳内出血し、三ヶ月入院し、自営に転じたのが、約10年前です。人生は備え有れば憂い無しですね!りなさんの名言、立派です。尊敬しております。ブログいつもありがとうございます。ごきげんよう。