という内容の動画を「イギリスの闇」としてYouTubeに投稿したところ、かなり視聴回数が伸びてびっくり。
少し前に中耳炎になってイギリスの医療システムへの問題を目の当たりにしたのですが、動画を見た方から、様々なコメントをいただきました。コメントはイギリス在住だと思われる方からのものも多いので、有益だなと思ったコメントをシェア&コメントしていきたいと思います。
これは、聞くかぎり「イギリスあるある」のようです。よく買うように言われる&イギリス人がよく買うのは「パラセタモール」という成分が配合された薬です。日本ではアセトアミノフェンとして知られていて、ベンザブロックとかにも入っています。
ちなみにコレがイギリスの風邪のお薬の王道らしいです。
わたしも喉が痛くなったときに服用しましたが、用量が日本人には(少なくともわたしには)多いためか、動悸・顔面蒼白・気分不良に陥りました。熱がなかったのに服用したため、体温が低くなり、血圧が下がったのが原因だと思うので、服用量には注意した方がよいかもしれないです。
A&Eは、accident and emergencyの略で、緊急医療センター的なところです。怪我して血が止まらないとか、急に体調が非常に悪くなった、といった場合に利用します。風邪では高熱があってもあまり利用されないようですが、これは緊急性がない場合、非常に待たされるからです。A&Eは24時間オープンしているところが多いのですが、知人はそれほど緊急性のない病状で夜10時に来院したところ、6時間以上待たされたようです。
でも、コメントの方が書かれているように、本当に体調が悪い場合や、ひとり暮らしで不安な場合、病院にいるというだけで安心できるので、利用の仕方によっては医療センターは存在価値がありますね。
「A&Eには行きづらいかも」という場合、Walk-in Centreと呼ばれる予約不要の医療センターもありますが、ここも非常に待たされます。
わたしも中耳炎になったときに足を運んだのですが、施設に入るなり「何のパンデミックが起きているの?」っていうレベルの人混み、受付には行列、受付を済ましたら今度は座る椅子が空いていない。
そして、イギリスでは非常に咳き込んでいる人でもマスクをしないんですよね。そこへ「4時間待ちです」という館内放送が流れました。「ここにこれ以上いたら中耳炎以上の病気に感染してしまいかねない」と思い、帰宅することにしました。
このような現状なので、イギリス人は風邪では病院に行きません。
日本人はたしかに病院に行き過ぎ、かつ薬を飲み過ぎと考えられています。中耳炎のような慢性化しやすく、抗生物質が第一選択薬の病気になってしまったら、薬を多用することで、抗生物質が効きにくくなってしまい、よって病気が治らなくなる患者さんが多いようですし、何より、生命に関わるような場合で本当に抗生物質が必要な時に致命的になってしまう、という問題もあるかと思います。
しかし、以下のような場合もあるので、単なる「風邪」なのか、重大な病気が隠れているのか、はわかりにくいので、自分では軽症だと感じても病院へ行くこと、そして検査を受けることは大切だと思います。
このようなことが起きるのは本当にやるせない、悲しすぎますね。
関連して、わたしが中学生くらいの頃に「世界仰天ニュース」で見て印象に残っているエピソードがあります。
イギリス人の男性で「しゃっくり」が何年も止まらず、ギターリストの夢もあきらめかけていたところ、日テレに呼ばれて日本で検査してみたら、しゃっくりが実は脳腫瘍によって起こされていた、という内容でした。
ティーンエイジャーのわたしは、イギリスの医療制度についてつゆほども知らなかったため、「日本の医療って高度なんだな」くらいにしか思わなかったのですが、今思うと、イギリスの病院で「しゃっくりが止まらない」と訴えても、相手にされない、病院の予約も取れない、検査なんてしてくれない、という現状があったためだと思います。
このエピソードについては、ググったら記事を発見しましたので、ぜひ。
40兆、5兆、1兆。
この数字は、それぞれ何だと思いますか。
これは、
40兆円:医療費の給付額
5兆円:文部科学省の予算額
1兆:国立大学の予算額
たしかに、日本の医療制度はかなり良いと思います。しかし、これは日本政府が医療にお金を使っているためだとも考えられます。イギリスでも、昔、政府が医療制度に予算を割いていた頃は、非常によいシステムだったようです。
一方、医療費と比べて、日本の未来を担う若者へ政府が配分している金額は何と少ないのだろうと思ってしまいます。
日本は、教育や若者を対象とした社会保障などといった、未来を担う世代への公的支援が国際的に非常に小さいという現状があります。
一方イギリスを含め、北欧やアングロサクソン系の先進国では、若者への保障や教育への支援の比重が大きくなっています。イギリス人ならば、政府が認めた分野では大学の学費が無料です。それで、わたしの友人には、根っからの文系なのに、全く興味がないコンピュータ・サイエンスの専攻で修士を取ろうとしている人もいます。
しかし、イギリス政府は医療へ予算カットをし続けています。そのため、「医療崩壊」しているのですよね。
こう考えると、日本政府が教育より医療を重視しているからこそ日本の医療制度が良いわけで、現在のイギリスの政府はそうではないということです。結局、「どこに重点を置くか」ということなのかもしれません。
これらは『科学と資本主義の未来』という本で詳しく議論されています。良書です。
イギリスにもプライベート保険はあります。しかし、個人で医療保険に入る人は非常に珍しく、入っている人のほとんどは働いている会社が福利厚生として提供しているケースです。
特に、日本人でビザを取得して渡英する人の場合は、ビザを申請するときに、NHSサーチャージといって日本でいう健康保険料のような形で滞在する期間分の保険料を一括で納入しなくてはなりません。
わたしもビザを取得するときに、20万くらい支払いました。
日本のプライベートの海外滞在保険は1年で25万から30万くらいだったはずなので(見積もらったけど詳細覚えていない)、NHSサーチャージとダブルで支払うことになると高額だし、プライベートの病院にはかからないだろうなと思い、渡英時には保険には加入しませんでした。
しかし、心の安寧のためにも、加入しておくべきだったのではないかなと思います。海外滞在の保険には盗難やロストバゲージなどへの補償も含まれています。iPhoneを盗まれた、なんて話は日常茶飯事です。
もし、NHSサーチャージの支払いが必須ではなく、任意加入だったならば、NHSサーチャージを払わず、日本のプライベートの保険に加入していました。
他にもたくさんコメントいただきましたが、この記事でのご紹介はここまで。コメントいただいた方、本当にありがとうございます。♡がついていなくても、すべて読ませていただいております。
コメント
ブログ拝見。私も滞英中、息子をNHSに見せに行き、院内で3時間待っても、看護師しか見てもらえず、医師の診察を督促すると、隣りの出血している患者は昨日から診察待ちと聴き、呆れて帰宅し、ロンドンの日本人医師に即日、自由診療で診てもらいました。それからNHSは使えないと感じたのを覚えています。もう30年前から医療崩壊してました。りなさん、中耳炎治り良かったですね。今もNHSは使えませんね!ブログ情報ありがとうございました。お大事に。