登録者5000人達成、でもスポンサー案件は断ります

拙YouTubeチャンネルの登録者が5000人を超え、20万再生を超える動画もあります。

オックスフォードの人口が15万程度、ケンブリッジもそのくらいです。20万再生って、ユーチューバーとしては規模が小さくても、結構な視聴回数だと思っていいのかもしれませんね。皆様、ご視聴ありがとうございます。

まあ、これくらいの視聴回数になると、お問い合わせがそこそこ来ます。今週も、スポンサーシップに関するメールを2件いただきました。

ひとつは語学系のサービスで、もうひとつはアクセサリーブランド。語学系のサービスは動画内でサービスについて紹介すると報酬を支払いますという依頼内容で、もうひとつは商品提供でした。

でも、どちらも断ることにしました。

愛用してもおらず、ましては使用すらしていないサービスや商品を紹介するというのは、正直、正直ではないと思うからです。

スポンサーという仕組み自体は悪いことではないと思います。単純に、贔屓の人物や価値ある活動を行っている団体に対して資金援助をするならば、その当人や団体の助けになること、この上ないはず。

でも、それがスポンサー自身の広告である場合、欺瞞になってしまうことがある。

カメラやマイクを購入したときは、たくさんのガジェット系ユーチューバーの動画を見て、参考にしました。でも、正直、いくつも外れがありました。ユーチューバーが商品提供をされていたり、報酬をもらってレビューをしている場合、ネガティブなことはあまり言えないと思います。

よって、ビッグなユーチューバーから発信される情報については信憑性がない。または本音のレビューではない。本人が商品提供・スポンサーシップを受けていないと公言していない限り。

そのため、登録者もほとんどいないようなチャンネルから発信されるような情報の方が信頼できると思います。

一方で、YouTube動画の広告収入よりも、スポンサーシップから得られる報酬の方が多額になる場合もあると思うので、ユーチューバーも生活していかないといけないことを考えると、スポンサーのオファーを受け入れるのは当然なことかもしれません。

嘘が得意な人は、嘘によってお金儲けができるというのが世の常だろうし、嘘をつくまでいかなくても、少し正直でない程度でもお金稼ぎができると思います。

広告代理店で働いていたときは、他社製品のほうが良いなと思いつつ、自分のクライアントの製品が売れるようなストラテジーを考えなくてはならなかったので、これは少々ストレスでした。でも、こういう「不正直」「欺瞞」「虚偽」「嘘」がお金を生む(仕事の対価としてお給料をもらう)というのは世の常なのですよね。

でも、だからこそ、「正直」であることに価値があると思います。世の中が正直ではないからこそ、正直なものが価値がある。

YouTubeの場合について述べると、使ってもいない商品を紹介することは、わたしの動画の内容・情報を「リアルだ」または「一人間(わたし)の個人的意見だ」という前提で視聴いただいている方への裏切りだし、動画を気に入ってみてくれている方へ申し訳ないと思うし、倫理的にもよろしくない、つまり「欺瞞」だと思います。

そのため、本当に好きな商品・サービスからスポンサーシップのオファーがないかぎり、YouTubeでは紹介しません。というか、そもそも紹介動画、レビュー動画なんていうのは作らないと思います。

といっても、個人的に愛用しているものについて言及しています(おすすめ、ではなく、言及)。

AudibleやKindleの愛用者だし、読んで良かった本は参考文献として挙げて、かつAmazonへのリンクを貼っていますし、使用している機材も(それが最高のものだと思っているかは別として)実際にわたしが使用しているものです。この機材たちですね。

小さな嘘や欺瞞で、目先の利益を得ることはできます。でも、長い時間をかけて培った「信頼」または「正直さ」には何にも勝る代えがたい価値があると思う。

イギリスの作家ジェローム・K・ジェロームは、以下のように述べています。

常に真実を語るのが最善なる策である。もちろん、あなたが並外れて優れた嘘つきである場合を除いては。
It is always the best policy to speak the truth, unless, of course, you are an exceptionally good liar.

Jerome K. Jerome

嘘をもっともらしく言うことは簡単かもしれない。そういう意味で、「優れた嘘つき」になれる人はたくさんいると思います。

でも、どんな嘘をついたか、どのように事実をねじ曲げたか、覚えておくのは大変だと思います。わたしは記憶力が良い方ではないので、記憶のストレージは、本当に覚えておくべきことのために保存容量を空けておきたい。大切な容量は自分がついた嘘なんていう余計なことのために使いたくない。

嘘はいろいろな意味で「使える」と思います。

遅刻した理由について「電車が遅延した」というのは簡単だし、会いたくない人に対して「仕事が忙しいから会えない」と言ったほうが軋轢を生みません。「寝坊したから遅刻した」「あなたと話してもそれほど楽しくないから会いたくない」と言うほうがコミュニケーションとしてはよろしくないかもしれない。こういう人は、正直かもしれないけど、「いい人」ではないと思われることが多いと思います。

でも、わたしは「いい人」より「正直な人」と思われたいし、正直さ、または信頼にこそ大きな価値があると思っています。個人的にそういう価値観で生きています。

そもそも、寝坊しなければ、好きでもない人と友達にならなければ、嘘つく必要もないですしね。

Lina (ライター)
早稲田大学卒業後、新卒でフリーランスライターとして活動開始し、現在はロンドン在住。ブログやYouTubeでも情報発信中。鹿児島出身、趣味はテニス。

コメント

  1. ブログ拝見しました。りなさんは悩める乙女ですね。正直な行き方ステキですね。ただ考え過ぎると疲れませんか?清濁併せ呑むなどと割り切って生きるのもいやですが。りなさんの様な方が増えれば、より良い社会が実現すると思います。すばらしいブログまた楽しみにしております。いつも名文ありがとうございます。
    have a lovely day.see you soon.

  2. 再度ブログ拝見し、思いましたが、広告受けてくださいませ。ユーチューブを作成するのに経費も労力も掛かりますし。ロンドンでの生活費も必要です。ユーチューブ広告だけより、スポンサー広告収入あれば幾ばくかの足しになればと思いました。広告を受けるか否かは、所詮個人の判断ですよね!りなさんが特別に悪いとはいえません。御自分の生活守る事、第一優先でお考えくださいませ。異国で単身自活する若いりなさんを攻める事はないです。ブログ興味深く拝見しました。ありがとうございます。