今日は、インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)に行きました。
最近、ICLはQS大学ランキングにおいて、オックスフォード大学とケンブリッジ大学を抜いて、イギリス1位の大学に君臨しました。世界ランキングにおいては、マサチューセッツ工科大学に次いで2位になっている名門中の名門大学です1。
ICLはサウス・ケンジントンというエリアにあるのですが、このエリアには科学博物館と自然史博物館もあり、ICLもサイエンスに強い大学です。
今回のイベントも科学系のイベントで、科学博物館やヴィクトリア&アルバート博物館も含めたエリアで行われました。
7割は子供向けの企画で、サイエンスや工学が楽しく学べるようになっています。子どもたちが超一流大学の(おそらく)大学院生から直接、話を聞いて、サイエンスやエンジニアリングを体験できるなんて、本当に素敵すぎるイベントです。
そして、大人向けイベントもすごく良かった。一番良かったのは、トークショーです。
「人類は他の惑星でどのように繁栄するか」という題目のトークショーだったのですが、ホストはイギリス初の宇宙飛行士のヘレン・シャーマン博士。そう、イギリス初の宇宙飛行士は女性なんです。
シャーマン博士はトークが非常に上手でした。他のスピーカーは研究者でしたが、彼らへの質問や返答が的確すぎて、頭の回転が速くて、知識も豊富で、倫理的な内容にはさりげなくフォローも入れたりして、ユーモアもあって、本当にすごい人だと思いました。かなり感動。彼女は現在、61歳。こんな風に年を取りたいと思いました。
このイベントは完全無料です。講演聴くのも無料。子どもたちのアトラクションも無料。
日本の大学でこのクオリティのイベントを行うのは無理だと思いました。そして、これはICLの最も大きなイベントでもない。
イギリスの大学には世界中から学生が集まります。そして、留学生の受け入れはもはや「ビジネス」と化しています。留学生の学費は、イギリス国籍の学生の学費と比べて、3、4倍高額に設定されています。留学生からお金を取って、大学は「稼いで」います。
これをわたしは「ひどい」と思っていました。教育はビジネスであるべきではない、または、教育機会は国籍にかかわらず均等に与えられるべきだと思っていました。大学は勉強の場ではなく、研究機関なので、自国民のためだけにあるわけではないと思います。たとえば、どこか科学が全く発展していない辺境の国に天才、ないし、そこまでではなくとも稀なる秀才がいたら、どうにか科学の発達した国の大学で学べるような制度を作るのが世界のため、社会のため、科学のため、未来のためになります。
でも、このイベントに参加して、このクオリティの教育やイベントを提供し続けるためならば、お金を持っている人から少々高額な学費を取ってもいいのではと思ってしまいました。こういうイベントで感銘を受けた子どもたち、若者たちが、未来の科学をリードしていく。そのために、ICLのような研究の最前線を走る大学の内部に入って学べる機会は、必要不可欠です。
わたし、これに13歳くらいで参加していたら、たぶん科学者か技術者になりたいと思っていたかもしれない。というか、ICLに行くために必死に勉強したと思います。
コメント
ICLのイベント興味深く拝見しました。サウスケンジントンにあるのですね。ロイヤルアルバート博物館には、何度も行ってますが、ICLは知りませんでした。次回訪英時、立ち寄りたいと思います。しかし学費が高すぎですね。外国人でも通える仕組みがあれば良いですね。ブログ興味深く拝見しました。遠いい東京から、微力ながら、ロンドンで単身自活するりなさんを応援しております。
ブログありがとうございました。