ベストセラーでも全く楽しめなくて、それでいい

わたしは、毎日読書をします。英語の本も日本語の本も読みます。

でも、わたしの脳は、耳からの情報のほうが、目からの情報の処理能力よりも高いので、聞く方が理解が早いです。そう、学校の授業なんかで真価を発揮でき、参考書での独学なんかには向いていないです。

そのため、特に英語の本はオーディオブックを併用する場合が多いです。電子書籍も買って、オーディオブックも買う。ダブルでお金を払いますが、より理解できるし、早い。時間はお金以上の価値があります。

今朝はとある日本人の作家の小説を読み終えました。途中まで読んで、1ヶ月くらい他の本を読みたくて、存在を忘れていたのですが、やっとフィニッシュ。ベストセラーで、Amazonのレビュー数は1000なんか軽く超えていて、それもほとんどが★×5の評価、名作とされている本です。

が、わたしは好きにはなれなかった。でも、感動的な内容でした。泣けましたね。誇張ではなく、実際に目から塩分を含むH2Oは流出しました。けれど、これは感情移入ができたというだけで、作品が素晴らしいという評価には繋がりません。

登場人物が同世代の女性で、種類は違うにせよ悩みを抱えていて、そして最後はハッピーエンド。よかったよかった、頑張ったね。涙。でも、だからといって、文学作品として優れているとは思えないし、要所要所で合理的ではないなあ、ご都合主義だなあ、と思うことが多かった。これは、わたしにとって文学作品の完成度としてNG。ファンタジーや歴史小説ならばある程度は許せますが、現代日本を舞台にしているため違和感が感動を上回ってしまいました。

そのため、途中まで読んで、飽きて、中断していたというわけです。でも、わたしは小説は読み始めたら、中断はするにせよ、最後まで読みます。非常に酷い、読む価値がないと思った場合は読まないこともありますが、そういう場合は、その作品を「読んだ」とは思わないし、評価もしませんし、意見も述べません。全部読まずして、その価値を評価する権利を保有できるとは思っていません。ミステリーの最初の2,3章を読んで、「面白くない」と決めつけるのが賢くないのと同じように。YouTube動画の最初の数分だけを観て、コメントしている人のように。

それで、義務感から最後まで読んで、泣けましたが、でも、お気に入りにはならなかったし、得られたものもなかった。単にエンタテインメントを求めるならば、テニスをしたり、ビッグバンセオリー(ファンです)を再度観たりする方が上。

わたしにとって、お気に入りの小説とは、完成度が高くて、普遍性があり、作者によって意図されていない違和感がない作品です。文体に好みもありますね。文体が好きでない場合、小説としていくら完成度が高くてもお気に入りにはなりません。これらをすべて満たした小説に出会うことは滅多にありません。

最後に読んだもので、お気に入りリストに加えられるなと思ったのは、筒井康隆の『旅のラゴス』です。購入したのは1年前です。

でも、わたしは小説はあまり読みません。小説は、完全にエンタテインメントとして読むので、エンタテインメントを求めるときは、面白いかどうかわからない小説よりは、テニスをしたり、ビッグバンセオリーを再度観たりします(繰り返し)。

唯一の例外は森博嗣ですね。彼の小説ならば、必ず楽しむことはできるので数ヶ月に1回くらい読みます。ただ、わたしは彼の小説以外の本の方が好きだし、エッセイやウェブサイトも覗いたりするので、森博嗣その人のファンと言ったほうが良いかもしれません。そのため、この一冊が好き、という本がありません。彼の書籍の中でも特に好きな本はありますが、それはお気に入りリストには入っていません。が、森博嗣は日本人作家では一番好きです。

そう、今朝読んだ本は、最初に森博嗣をおすすめしてくれた人におすすめされた本だったんです。同じ人のおすすめなので、読む価値があると思いましたが、こっちはNGでした。

また、読む価値という点では、フィクションであっても、古典は読むことがあります。夏目漱石とか太宰治とか、ジェーン・オースティンとかクリスティとか。これほどまでに長い間、生き残ってきた作品には、何らかの普遍的価値があるものだと思うので、エンタテインメントというよりは勉強に近い理由から読みます。

にしても、最近日本で人気の小説の傾向としては、泣ければOK、笑えればOK、という風潮が強いと感じます。

読書は完全にKindle派。現在、342冊(漫画除く/合本は10冊でも1冊とカウント)をいつも持ち歩いています。

コメント

  1. りなさんは読書家ですね。私は若い時、漱石をよく読みました。漱石のこころは読んで、良さ、感銘受けました。社会に出てからは、勤務に忙しく、読書の習慣無くしてしまいました。30歳近くにアメリカの大学院留学準備に追われ、小説読むのは無く成りました。大家業に転じた今は冒険投資家ジム ロジャーの本を愛読しています。彼の世界一周記は非常に面白かったです。また彼の投資姿勢は非常に参考になります。生き方に共鳴します。あ、それと、今は、りなさんのブログ楽しく拝見しておりますね!あなたの生き方にも共感するものが多々あります。引き続き、りなさんのブログ拝見いたします。楽しいブログ拝見、ありがとうございました。ごきげんよう。