言語の壁は大きい、そして、その他の壁も。

わたしのYouTubeチャンネルには、日本語の動画も、英語の動画もあります。英語の動画には日本語字幕をつけています。しかし、これが上手く機能していないと感じる今日この頃です。

英語と日本語には、言語の違い以上に、それを話す人たちの違いが存在します。つまり、視聴者の性質が異なる。よって、翻訳したからといって、それが意図した意味で伝わるとはかぎりません。

例えば、わたしが「ウィンブルドンに行きました」と言ったとします。英語か日本語かは問題ではありません。これを聞いた人が、①ロンドンに住んでいる人ならば、単にウィンブルドン地区、またはウィンブルドン駅周辺に行ったのだと思うでしょう。一方、②テニス好きのロンドン在住者で、かつわたしがテニス好きだと知っていたら「最近、ウィンブルドンのあのあたりでテニスでもしたのかな」なんて思うかもしれません。ウィンブルドンのあたりにはテニスコートがたくさんあります。しかし、③7月上旬ならば、十中八九、ウィンブルドンのAll England Tennis Clubで開催されている世界四大テニス大会のひとつを観に行ったのだなと思うはずです。そして、④日本人のテニス好きならば、今年か、去年か、10年前かはさておき、ウィンブルドンを現地で観戦したと思うはずです。

このように、同じ言葉でも、受け手によって、同じ言葉が異なる意味に解釈されてしまいます。そのため、先日アップした動画でも、「Today I came here Wimbledon where the greatest tennis players from every corner of the world gather once a year on the grass.」と説明しています。世界の全員がテニス好きだったら、「Today I came here Wimbledon」だけで事足りるはずです。 

また、言語が違うと、情報のニーズの違いもあります。今のYouTubeチャンネルで、日本のお茶の種類についての動画を挙げても、ほとんどの人が観ないと思います。わたしのチャンネルの視聴者の9割は日本人で、イギリス人なら単にGreen Teaといって済ませてしまうような、緑茶と抹茶とほうじ茶の違いくらいだれもが知っています。

でも、1割は日本人以外で、日本に興味のある英語が分かる人です。彼らは観てくれるかもしれません。でも、視聴者の母数が少なすぎます。よって、日本のお茶の種類に関する動画を投稿する場としてはふさわしくない。9割が興味を持たないであろうプラットフォームで情報を発信するということは、まるでNHK教育で夕方5時に世界経済について発信するようなものです。そのため、NHKはチャンネルを分けているわけです。

このように考えると、わたしもNHKのようにチャンネルを分けるべきだと考え始めました。複数のチャンネルを運営するのは手間なので、ひとつに絞りたかったのですが、やはり情報の解釈は発信者よりも受信者の能力によるところが大きい。

ここでいう「能力」の筆頭は、もちろん言語です。いくら賢い人でも、スワヒリ語を理解する能力のない人に、スワヒリ語で重要なことをわかりやすく話しても、何も通じません。

また、コンテクストの共有も「能力」と考えられます。つまり、東京在住の日本人に「週末シーに行ってきた」と言えば、「東京ディズニーシー」のことを言っていると通じますが、関東在住以外の人に通じるかはわかりませんし、外国人だったら「海に行ったのだ」と思うでしょう。

さらに、情報を得ようとする積極性も「能力」だと考えられます。テニスに全く興味がない人にウィンブルドンの素晴らしさやチケットの取り方について語っても、その情報の価値は伝わりません。その人がウィンブルドンがなにかと知っていて、コンテクストが共有されていても、情報の受け手に情報を消費する積極性がない場合、聞き流されてしまうのがオチです。でも、テニス好きや、次回のウィンブルドンを観戦したいと思っている人ならば、熱心に聞くと思いますし、情報を発信者が伝えたかったかたちで解釈しようと努めるはずです。

というわけで、YouTubeチャンネルを、少なくとも英語用と日本語用には分けることはほぼ確定しそうです。さらに細分化する可能性もあります。サイエンスチャンネルとかね。でも、体はひとつしかないので、そんなにたくさん動画を作れないのが辛いところ。動画のアイディアは無限にあります。少なくとも、星の数くらいはあります。

ウィンブルドンではたくさんビデオを撮りました。ウィンブルドンVlogもアイディアのひとつでしたが、これは投稿しないことにしました。現在のわたしのチャンネルでテニスに興味がある人は非常に少ないだろうし、イギリスに興味がある人でも、それに加えてウィンブルドンに興味がある人は母数としては非常に少ないと想像されるからです

テニスをテーマにしたチャンネルでウィンブルドンのことを語ったら、相当の人が観るとは思いますが、わたしはテニスをテーマにして語れるほど、テニスの専門家ではありません。ビジネスとしてプロデュースするならば興味はあるけれど。スタテニなんて、相当ビジネスビジネスしているチャンネルですが、テニスが上手くなりたかった頃は毎日観ていました。

ウィンブルドン観戦記は、本当は一番作りたい動画だけど、、、。個人の記録として作ろうかしら。

コメント

  1. ブログ拝見しました。動画作成もご苦労絶えないですね!視聴者向けにチャネル分け作成するのは、更に手間ですね。NHKの様にチャネル分けるのは、りなさんだけでは、大変です。やはり、最大公約数的に視聴者のニーズ把握し、それに向け、動画配信するのが視聴回数増やすこつだと推察します。私は、視聴者として、りなさんのロンドン生活に興味あり、他の視聴者も同様だと感じます。イギリスの闇の動画の再生回数が伸びたのも、その為ですね。また、私の様に、りなさんのファンには、りなさん自身にホーカスした着物姿動画もありだと思います。そして、りなさんはロンドンという日本人には、憧れの地に居ます。そこにホーカスすれば、如何ですか?例えば動画の背景をロンドンの名所にするとか。一視聴者の感想です。りなさんの動画配信、成功を祈念します。がんばってくださいませ!
    いつもりなさんを応援しております。ごきげんよう。

  2. りなさん、こんにちは。この前のコメントで、動画作成方針を記しました。ぜひご参考ください。視聴回数伸びると思える案です。りなさんの成功、応援しております。ぜひ、ご参考くださいませ。ごきげんよう。

  3. そうですね。視聴者の興味にあった内容でなければ、視聴回数は伸びないですね!りなさんの作りたい内容と視聴者の興味がズレてくるのは、懸念事項ですね!イギリスの国情などマスメディアが報じない内容を動画やブログで発信するのが良いと思いますが、如何ですか?ユーチューブで成功するには、視聴者の関心に応えるのが近道です。りなさん、いつも応援しております。私でできる事あれば、お尋ね下さいませ。協力惜しみません。ありがとうございました。ごきげんよう。

  4. この数日、イギリス各地で暴動が多発しているニュースがTVでながれてます。本当ですか?本当なら、お気を付けください。イギリスもアメリカの様な感じですね。サンフランシスコやフィラデルフィアは廃墟の様です。欧州ではフランスで、暴動多発の様ですね!危険過ぎて、観光できないですね。りなさん、充分注意ください。ごきげんよう。

  5. 次の動画テーマ決まりましたか?楽しみに待ってます。視聴回数増えるとよろしいですね!りなさんが主演であれば、視聴回数伸びると思いますよ。ごきげんよう。