獲得メダル数を争うのはナンセンス

今日はバイト。その後、日本人のお友達M氏と会いました。ここ数日、素晴らしい気候なので、パブのテラス席を探すも、皆、考えることは同じ。パブのテラス席はどこも満席。結局、屋内に座ろうと思いましたが、屋内は屋外よりも暑く、空気も悪いので、パブの外に立ってビールを飲むことに。

完全に写真を撮り忘れたので、直近で行ったパブの写真を貼っておきます。

M氏はもうロンドン在住歴がわたしの10倍くらい長いので、知らないことをたくさん教えてもらいました。オリンピックを見るよりも楽しい時間です。世間はオリンピック一色ですが、わたしは実はまだ今回のオリンピックを何も見ていません。

以前書いたように、国別対抗戦は各スポーツのルールに則るという以外、戦争のように見えるため、好きではありません。

「日本人ならば日本を愛するべき」「日本人ならば日本を応援するべき」ならば、北朝鮮人も北朝鮮を愛するべきだし、ロシア人ならばロシアが戦争をしても自国を愛するべきという論理になります。そして、「祖国に盲目的な愛国心を持つべき」という前提によって、第二次世界大戦では、日本では様々な悲劇が起こりましたし、他国に悲劇を被らせた過去があります。神風特攻隊とか。

といっても、オリンピックの視聴率は世帯単位でも20%にも満たないようなので、世間の大部分の人は、オリンピックに興味がないようです。良いことだと思います。それなのに、「日本中が見ている」「日本中が注目している」という言い方がされるのは面白いですね(と、少なくともわたしのバイト先の人は、わたしにそう報道していました。ニュースは見ません)。

(少なくともバイト先の報道者によって)メダルの個数が日本が暫定首位であることも報じられているようですが、これも単に愛国心を煽った話題作りにすぎなく、メダル数だけでは、論理的に「日本人がスポーツにおいて優れている」とはいえないと思います。単に「獲得メダル数が多い」だけ。これは優れている、劣っているという話ではない。アリが10匹いることが100匹いることに対して、優れているわけでも劣っているわけでもないのと同じです。

まず、日本は世界で11番目に人口が多いため、選手の母数が多い。そのため、優れたスポーツ選手の数も多くなります。次に、日本人が得意とするスポーツは授与されるメダル数が多いという特徴があります。

Geminiによると、夏季オリンピックで最多メダルが授与される種目は競泳で、これは、自由形、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、個人メドレーなど、様々な泳法において、さらに距離別でメダルが授与されます1

日本は海に囲まれており、体育の授業で水泳をすることがほぼ義務づけられています。そのため、競泳の優れた選手が発掘されやすい。しかし、海や湖に面していない国・地域なんてたくさんありますし、子供に半強制的に水泳をさせる国は珍しいのではないでしょうか。そのため、他国で世紀の一流選手になるような人物が生まれていたとしても、一度も水泳をすることなく一生を終えることがあるかもしれない。

日本が強い種目には体操もありますが、これも個人総合、種目別など、多くのメダルが授与されますし、柔道でも男女それぞれ階級別にメダルが授与されます。

一方、バレーボールとかバスケットボールとかは、男女それぞれひとつずつの金メダル授与です(よね?)。とある国が、いかにバレーボールに優れていても、獲得金メダル数は1だけです。バレーボールで金メダルを獲得して、出場選手12名がそれぞれ1個ずつメダルを授与されたとしても、金メダル数12とはカウントしない。どうして?

もちろん、同じ「泳ぐ」でも、100メートル泳ぐのと400メートル泳ぐのには異なる能力が必要なので、それぞれの選手にメダルを授与するのは問題ないと思います。でも、それで獲得メダル数を争う(ように報道する)のはナンセンスだし、メダル数はスポーツのルールに依存しているだけです。なぜ800メートル自由形と1500メートル自由形があるのに、1000メートル自由形はないのか。1000メートルでなら金メダルを取れる選手がいるかもしれないのに? それか、10,000メートル自由形ならば金メダルを取れる選手もいるかもしれないのに?

国際大会が開催されるのは良いと思うけれど、国別対抗戦にする意義がわかりません。国同士の対立を深めるだけです。

ウィンブルドンやチャンピオンズリーグのように、国単位ではなく、個人やチーム単位で競技は行えます。そして、こういう大会では、自分で応援するチームや選手を選べます。わたしはテニスが好きですが、日本人選手にファンはいません。これは、わたしが「すごいな」とか「応援したいな」と思う選手が、単にスペイン人やデンマーク人だっただけです。日本人に感銘を受ける選手が現れたらその人のファンになるかもしれないけれど、現在はいませんし、日本人だからという理由だけでは応援しません。ウィンブルドンでも、日本人選手の試合はひとつもフルで見ていません。他に観たい試合がないときだけ、少し立ち寄って観戦していました。

オリンピックのような大規模国際大会を開催するのは良いし、経済効果もあると思うけれど、国別対抗戦にする必要はない。国という範疇に左右される必要はない。そして、視聴率を見るかぎり、オリンピックに興味のないorスポーツに興味のない人が多いらしい。ニュースを見るべきでない理由がまた増えました。ニュースは百害あって二利くらいしかありません。

といいつつ、明日は初オリンピックを観戦する予定。もちろん、ナダル戦。そろそろ見納めだと思うので、見ておかなくては。個人的には、オリンピックが彼の最後の大きな国際試合となりそうなのは残念。でも、まあ個人競技だし、良いとしましょう。

  1. https://g.co/gemini/share/8248d9846786

コメント

  1. ブログ拝見しました。りなさんのご意見承りました。日本では、オリンピック真盛りですね。TVはどのチャネルも競技中継してますね。水泳、柔道、バスケットボール等々です。金メダル獲得ラッシュにTVはホーカスしておりますね。私は今回はかなり、メダル獲得していると見ていましたが、りなさんのブログが今日来てない方が気になってました。バイトがあったのですね。ご苦労様でした。今日私も、会計記帳しました。自営ですが、働いてます。しかし東京の猛暑は異常です。あまりにも暑いので、コンビニ行く以外は家にて、過ごしました。それと夕方のゲリラ豪雨も凄いです。我が家のそばの川が氾濫しました。我が家は高台にあるので、安全ですが。板橋区には危険情報が出ましたね。りなさんのブログ、毎日楽しみにしております。いつも興味深い内容と名文ありがとうございます。ロンドン生活、御健やかにお過ごし下さいませ。ごきげんよう。have a lovely day.see you soon.