ザ・クラウンを見終わりました
イギリス王室を題材にしたドラマ『ザ・クラウン』を見終えました。シーズン6まであるのですが、シーズン5までは日本で見ていて、シーズン6を今見終わりました。
今回、イギリスに住みはじめて1年が経過した後にこのドラマを見て、本当に理解できてびっくり。英語がよく理解できるようになったというよりも、イギリスを詳しく知らないと理解できないことがたくさんあって、それに気づけるようになっていました。
今までは、登場人物の会話の中でどこか腑に落ちないことがあっても、そんな表現もあるものなのだなあと聞き流していましたが、実は登場人物の会話はかなり奥深いとわかりました。「この会話の真意、1年前だったら絶対わからなかったなあ」といった、そういうニュアンス的なものに気づけるようになったし、イギリスに詳しくないと理解できないような事柄が随所に配置されています。
以下、ネタバレを含むので、読まない方がいいかも。といっても、基本的に「事実」に基づいているので、イギリス王室についてある程度知っている人にとってはネタバレではないけれど。
2つのエピソードで号泣しました。まず、マーガレット女王が逝去するエピソード。このエピソードに限らず、マーガレット王女にフォーカスされたエピソードでは基本、過去にも号泣していました。彼女の恋があまりにも悲恋すぎるので。
そして、もうひとつは現国王が故女王に再婚を許されるシーンとその結婚式です。エドワード8世もだけれど、イギリス王室には一途なタイプが多いのでしょうね。遺伝なのか。それか、許されない恋だからこそ燃え上がってしまうのか。このあたりのシンリ(掛詞です)って科学で解明できないのかしら。
シーズン7をかなり楽しめたので、またシーズン1から通しで見たいと思います。イギリスに住む前には気づけなかったことがたくさんあると思うので。
にしても、よく王室を題材にして、ここまで踏み込んだドラマを製作できたものだなと思います。日本で、天皇家を題材にした作品は絶対に作れないと思います。大化改新とかでも映画化はダメなんじゃないかな。
「去る者追わず」の動画の舞台裏
2週間程、少々忙しかったので、ブログ更新がおろそかになっていました。そして、YouTube動画を編集する時間があるだろうと踏んでいたにもかかわらず、編集する時間がなかったので、映像が少々時間差投稿です。ロンドンは完全に冬、または晩秋。
今回は、最近、周りから恋愛相談をされたり、身近に失恋した人がいたりして、ロンドンのパブにて彼らに徒然とアドバイスをする機会が多かったので、その内容を整理して、話してみました。人と話して自分の考えを述べることで、さらに自分の考えを発展させることができて、それを今度はまとめると、ひとつの人生訓のようなものができあがりますね。だからdeep chatが好きです。
そう、わたしとお酒を飲むと、こんなことを言われることになります。注意です。Deep chatしかしないし、deep chatができない人とはそれほど仲良くなりません。基本、映画とか音楽とか、そういう話はしないですね。音楽史とか、撮影方法とかなら興味あるかも。
このようなエッセイ読み上げ風動画をアップロードするときに感じるのは、わたしのことをほとんど知らない人で、そしてわたしも全く知らない人に、内容が伝わるのかなあということ。こういう内容は「恋人に振られたときは、すっぱりあきらめよう」とか、「友達に裏切られたら、去る者追わずでいい」とか、「部下が会社を辞めたいなら、静かに送り出そう」という風に、具体的に述べたほうがわかりやすいと思います。でも、具体的なものは汎用性がないし、懇切丁寧に述べるのは煩雑でエレガントじゃないし、抽象性という美学を失うし——。
わたしの動画は見る人を選ぶ動画だと思います。それでいいと思っていますが。不特定多数のマスを対象にした情報発信は意見が曖昧で単純化しすぎているものがほとんどなので、それはわたしのYouTube動画の趣旨には合わない。理解してもらえない人には、理解してもらえなくていいかな、と思う次第です。
ではでは、動画の裏話的なものをちょこっと。
冒頭の気温の動画は9月13日に撮った映像なので、もう今はさらに寒い。今朝は5度です。真冬用のコートを着るかどうか迷うレベル。たぶん、ヒートテックとセーターとジャケットで我慢します。でも、街を歩けば、半袖の人もいる。うーん。体感温度が相当に違うのでしょうね。
ヒートテックは非常に体温調節が難しいですね。日本では一度もヒートテックを着用したことがなかったのですが、ヒートテックなしでイギリスの長い冬をサバイブできるように体が適応するのには、あと2年はかかりそう。でも、若干、寒さに強くなっている気がします。
動画の前半部分のロケ地は先日のブログに書いたClacton-on-seaです。この日は撮影するつもりで行っていなかったので、フッテージがあまりなかったのだけれど、とても綺麗なエンタテインメントの街だったので、ここだけで1動画分くらい撮れたのになあと思って残念でした。でも、再訪するほどではない。
中盤部分はビクトリア公園周辺。広いけど観光客が行くような魅力のある公園ではありません。代々木公園レベルです。新宿御苑ではない。ランニングしたりするにはちょうどいいかも。後半部分は、北グリニッジとタワーブリッジ周辺のテムズ川沿いです。この二カ所、そこそこ離れているから別日に撮影。ロンドンを詳しく知っている人からすると、違和感があるかも。
あと、覆水盆に返らずの故事に使った画像の1枚はAIで生成して、ヘンテコな部分をフォトショップで修正したものです。中国語では「盆」は器のことらしい。日本語でいうところの「お盆」ではない——というのを、高校の漢文の授業でやったのを覚えています。
漢文の授業は好きでした。中国の歴史における膨大の書物の中から、特に有意義な教えや故事を取り扱うので、人生勉強になると思っていました。現代文の授業で扱う作品よりはるかに好みです。ただ、古代中国語の文法を学んで、レ点とか甲乙の符号を付けたり、「書き下し文」という謎の日本語訳に直したりして、それをさらに現代語訳する意味はわからなかった。今でもわかりません。それは古文にも言えますね。あんな古文単語とか古文文法とかを大量に記憶しても何の役にも立たない。
単に歴史を代表する名作を学んで、それに関するエッセイを書いたほうがはるかに論理的な思考、クリティカルシンキングとかいうものが養えると思うのだけれど。日本の「国語」という教育は、文章力とかコミュニケーション力を鍛えたり、適切に意思表示をしたり意見を述べたりする能力を身につけるための教育ではないですね。日本人は英語力がないのではなく、そもそも日本語であっても、欧米人のように意見を述べる能力がないのかもなあと感じることがあります。
まあ、これは文化の違いでもありますね。日本は和を以て貴しとなすので、意見をズバズバ述べることがエレガントとされません。文化の違いと言えば、英語では”It is no use crying over spilt milk.”が「覆水盆に返らず」の英訳として使われることがあるけれど、こちらはどちらかというと「こぼしたミルクに固執しても仕方ないから、くよくよしないで、前に進もう」というニュアンスです。一方、東アジアでは「やったことは取り返しがつかない、元には戻らない、残念」なので、文化の違いだか考え方の方向性(?)の違いを感じます。
そうそう、最後のmeant to beは、日本語に訳すのが不可能な表現なので、そのまま使いました。これは、わたしが大好きなドラマ・Grey’s Anatomyの一番好きな登場人物の最期の言葉でもあります。日本語吹き替えとか字幕とか、どう和訳しているのだろう。「運命だ」とかなのかな。でも、これだとcheesyですね。
この動画は単純にナレーションを英語に変えただけの英語版も作ろうかなと思っています。Lina’s Journalには、英語版のYouTubeチャンネルもあります。昔挙げていた動画は全部、非公開にしましたが、どこかでそのうち公開するかも。
イギリスのティーンエイジャー
今日、ロンドン郊外のスタバに座っていると、17時くらいからたくさんの若者がやってきました。おそらく、secondary schoolの生徒たち。11歳から16歳に行く学校です。制服を着ていたからです。
PC作業をするフリをして、観察していると、色々面白かったです。
まず非常に大人っぽい。わたしより大人っぽいんじゃないかと思えるくらい。わたしもいまだにイギリスのスーパーで年確されることがありますが、アジア人、特に東アジア人は本当に若く(というか幼く)見えますね。態度や表情も日本人よりははるかに大人っぽいけれど、話していることはそんなに大人っぽくはないようです。
そして、堂々と持ち込みをする。4人くらいのグループで来店し、ひとりがスタバで飲み物を買って、皆で席に座り、バーガーキングやらKFCらやで買ったものを食べている。スタバは高めなので、ティーンエイジャーがそうしたくなるのはわからなくはないのですが、ここまで堂々と持ち込みをするのにも驚くし、店員もしたいようにさせています。
でも、日本人のティーンエイジャーのように長居はしない。食べて、少し話して、去っていきます。忙しいのかな。大声で歌っているグループもありました。でも、かなり上手かった。聖歌隊とか入っているのかなと思うレベルでハモれていた。
そして、金髪が多い。ロンドン郊外は白人の人口が多いのですが、皆が皆金髪ではない。でも、若者は金髪が多いです。欧米人は年齢によって髪の毛の色が変化するといいますが、やはり若い頃は金髪率が高くなるようです。
あとは、制服のスカートが短い。これは万国共通なのか。でも、ほとんどがストッキングを履いています。そういう校則なのか、これがファッションなのか。
ロンドンはセントラルには(良い)学校がほとんどなく、子供を郊外の学校に通わせる家庭が多いようです。街とは、観光客が訪れるエリアだけでは語れないものですね。