イギリス文化はロンドンを出た方が楽しめるかも
今日はイギリスの南東部のClacton-on-Seaという海辺の街に行きました。ここには桟橋とビーチ、それに小さなアミューズメントパークがあります。
まず、ずっと食べようと思っていて食べていなかったイギリス名物のJellied Eelを食べました。その名の通り「ゼリー漬けのウナギ」です。
ウナギを輪切りにし、水や香辛料で煮込んだ料理です。ウナギにはゼラチン質が含まれているため、煮込んで冷やすと自然にゼリー状に固まるらしいです。ゼリー漬けのウナギというよりは、ウナギで作ったゼリーと言ったほうが正しいのかも。
お味は、甘酢に漬けたウナギという感じ。絶品ではないけれど、それなりに美味しいと思いました。というかウナギの肉が美味しい。ただ、日本のウナギの蒲焼きの方がよりウナギに適した味付けだと思います。また、Jellied Eelはウナギの輪切りなので、骨の処理がしてありません。そのため、小骨の他にも脊椎のような大きな骨もあり、食べづらかった。あと、単体で食べるのは少し限界があります。お米とならもっと食べられるかも。
さらにイギリスの遊園地やフェアでよく販売されているドーナツを食べました。その場で揚げて砂糖をまぶしたものです。油と砂糖たっぷりでシンプルですが非常に美味しい。アメリカ風のドーナツよりも好みかも。
アトラクションには乗りませんでした。ジェットコースターは乗ってもよいなと思ったけれど、古めかしかったので少々怖くてパス。事故などは起きないのだろうけれど、1つのアトラクションで10ポンド程度もするし、お金の価値に合うかというと微妙だと思いました。
ゲームセンターもあり、メダルゲームやクレーンゲームがたくさんありました。
メダルゲーム(コインプッシャー)は本物の2ペンス硬貨を用います。ギャンブルが合法化されているイギリスならではですね。いまさらながら、日本のメダルゲームが専用のコインで遊ぶ理由に気づきました。10円とかを使ったら非合法ということです。
ロンドンは大好きだけれど、ロンドンで経験できることは、イギリス文化というよりはロンドン文化とでもいうべきものです。イギリスらしい経験をしたかったら、ちょっと郊外に出た方が伝統的な体験ができますね。
テレビ放映は絶対見ないと誓いました
わたしはテレビを全く見ません。今、テレビを持ってもいません。東京に住んでいたときにテレビを持っていたこともあったけれど、テレビ端子にはつないでおらず、Amazon Fireスティックだけを接続していました。でも、NHK受信料は払っていました。それも衛星放送の分まで。マンションが衛星放送を勝手に受信してしまうタイプだったので。これは不合理だけれど規則なのか、法律なのかわからないけれど、仕方ない。
わたしがテレビを見ないのは、テレビから得られる情報が非常に偏っているか、情報にそもそもほとんど価値がないと思うからです。そして、娯楽性のある番組も非常に少ない。娯楽性はNetflixやYouTubeがはるかに勝ります。
そして、4年前くらいから、映画もほとんど見なくなったため、3年くらい前に、テレビを廃棄しました。Netflixは契約していますが、これはひとりで食事をする際だけ、ラップトップで見ています。
そして最近、本当にもう二度と日本のテレビは見なくて良いなと思う出来事がありました。
とある近畿の地上波放送局(らしい)の業務提携先の番組制作会社から連絡がありました。
「海外で一人暮らしをする日本人女性の暮らしぶりをメインに取材させていただき、ご紹介させていただく予定でございます。番組内でロンドンにお住まいの日本人女性を探しておりまして、ぜひ番組ご出演に向けてお話を聞かせていただきたく、ご連絡致しました。一度お電話にてお話を聞かせていただくことは可能でしょうか。」
とのことだったので、ただの電話ならと思って承諾すると、Zoomのオンラインミーティングに繋げられ、1時間以上もイギリスについて質問攻めにされました。
「フラットって何ですか」(イギリス英語で「アパート」ですが)
「イギリスではボイラー室に住んでいる人がいるって本当ですか」(いるんですか? わたしの周りの人たちは住んでいませんが、探せばいるのでは?)
「ギリシャに住んでいる日本人に話を聞いたら、トイレの水が出ないようですが、イギリスはどうですか?」(物件によるのでは?)
「日本では考えられないような物件に住んでいる日本人を知りませんか?」(探せばいると思いますが、まともに賃貸契約をして、まともな家賃を払っている場合はないと思います。そもそも、日本にもありますよね、ワケあり物件。イギリスだから、ギリシャだから、というわけではないのでは?)こういう感じに、もっと丁寧にオブラートに包んで回答して差し上げました。
番組出演等の具体的な話はなく、そもそも企画段階らしかったです。そして、その企画があえて「例外」を探して、面白おかしい番組を作ろうとしているようでした。
これにより、そもそも「報道」の意義を問わざるを得ないと感じられました。テレビは報道機関であるはずです。でも、報道だけでは朝から晩まで繋げられないし、視聴率も得られず、スポンサーから広告料も得られないから、ドキュメンタリーやドラマなどを放映するものだと理解しています。
今回のこの番組は、ドキュメンタリーに分類されるのだと思われますが、こういうのは特にタチが悪くて誤解を招きかねない報道(or放映)だと思います。
ロンドンに住んでいる日本人で、収入が少なくて節約しまくっている人はたくさん知っていますが、皆、日本人としての感覚を持っているので、水やお湯が出ないようなフラットや、ボイラー室には住んでいません。そして、平常な日本人ならば、そんな場所に住まないと思います。もしそんな場所に住んでいる日本人を見つけたとして、それを「イギリスにはこんなところに住んでいる人がいる!」と放映するのは、適切であるとは思えません。
数ある質問の中で一番驚いたのが、「ビッグマックいくらしますか」という質問。話の流れでそのような質問をされるならばまだしも、長い質問リストの中のひとつだったらしく、唐突にこの質問が飛んできました。
住んでいる国のビッグマックの価格を言える人がどれくらいいるのでしょうか。「知らないので、今ググりますよ」と言って、ググって回答しましたが、全く質問の意図がわかりませんでした。「ビッグマック指数」とでも検索すれば、各国のビックマックの価格とその考察について、いくらでも日本語の記事が出てきます。
これが「イギリスでは、ビッグマック指数が、5.71米ドル、現地通貨では4.49ポンドとされていますが、これはイギリスでの物価における価格としてどのように感じられますか」なんて質問なら、快く答えたいと思いますが。
テレビの街角インタビューとかでも、「どうしてこんな質問をするのだろう」と思うような内容が報道されています。あとは、インタビューを10人にして、面白かった回答や、報道したい内容や報道機関の立場に寄っていた回答だけを放映しているんだろうな、と感じさせる報道もあります。
人の力量を反映するのは回答ではなく質問だなんて言われるので(少なくともわたしが言っています)、わたしも他人に質問する内容は吟味したいなと思いました。今日はイギリス人に「プリンター買いたいんだけど、No,1シェアまたは信頼おけるブランドって何?」という質問をしました。100点中65点かな。
世界は広いのに、世界は狭い。
今日は、英国稲門会がありました。早稲田大学のOB・OGが集まる飲み会です。
まず、最初にびっくりしたのが、高校の同級生のT君がいたこと。ソーシャルメディアで繋がっているので、彼がロンドンにいるようなことはなんとなく知っていましたが、稲門会でばったり会うとは思わず、驚きました。高校も大学も同じで、さらにロンドンで再会です。MBAを取るために大学院に通っているということ。
それから、次にびっくりしたのが、ウィンブルドンの当日券の列に並んで待っているときに、2時間くらいずっと話していて、さらにNo.1コートでも隣に座って観戦した日本人の方がいたこと。稲門会ではお互い面識がなく、ウィンブルドンでもお互いが早稲田卒だとは知らず、その話題も出ませんでした。そして、偶然の再会。
さらに、一緒にテニスをしたりお宅にお食事に招いてくれる方がいるのですが、彼が最近、偶然わたしのYouTubeを発見したとのこと。急におすすめに出現したらしいです。「YouTubeのアルゴリズムは怖い」と言っていました。ロンドンに住んでいる日本人には、わたしのYouTubeがおすすめされやすいようです。
結論として、ロンドンには日本人が多いが、それでもコミュニティは小さく、皆が皆、どこかで繋がっているので、悪いことはできない、ということ。そして、この広い世界で、いかに我々が非常に小さなコミュニティの中でのみ活動しているか、ということ。
海外に住もうが、どんな仕事をしようが、基本的には同じ言語を話す人や、同じ文化背景のコミュニティの中でしか活動しないことが多いということです。まあ、そもそも、そのコミュニティ外に出るメリットはそれほどないですしね。物好き、または好奇心という理由くらいしか。コミュニティを作って小さくまとまることは人間の本能といえると思います。
会は10時にお開きでしたが、二次会のカラオケかなにかに行くらしかったです。わたしは帰りました。日本人はタフですね。ほとんどが駐在で来ている方なので、明日も仕事があるだろうに。激務の日系企業で働いている方も、ロンドンでは仕事のあとに同窓会に参加できるので、ロンドン暮らしを楽しんでいるようです。日本に帰りたいと行っている人は非常に少ないです。