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  • 2ヶ月前にできなかったことが、できるようになる

    今日は、はじめてMelton Mowbray Pork Pieという謎のイギリスの伝統料理を食べてみました。といっても、スーパーで見かけて、買ってみただけ。

    こういう、未知の領域が日常に溢れているのが海外生活の醍醐味、そして苦しみです。なぜ苦しみかって、それは食べ方も味もわからないから。豚肉(pork)ということしかわかりません。パイ(pie)って書かれているけど、シェパード・パイやコテージ・パイという料理は、ビーフやラムの挽肉をマッシュポテトで覆った料理。「このpieって単語、どこから来た」って感じです。だから、信頼ならない。ヨークシャー・プリンも、プリンではない。

    Melton Mowbray Pork Pieのお味は、塩味の効いた豚肉の塊が入った揚げ物って感じです。かなりお腹にたまるので、観光でお腹が空いたら食べてみると腹持ちがいいかも。

    話は変わりますが、少し前に、ChatGPTのニューモデルGPT o1がすごいという話を書きましたが、それにGPT 4oでは解けなかった、あの難問を解かせてみました。

    7,7,3,3,の4つの数字がある。どんな順番でも良いから、これらを全部使って、足したり、引いたり、書けたり、割ったりして、答を24にしたまえ

    これ、2ヶ月前のブログで、『わからなかったので、AIに聞いたところ、GPTもGeminiも24にはならないという結論。(中略)数学でも、こういう発想力が必要な分野ではAIはまだまだなのでしょうね。』と書いていますが、果たしてPhDレベルに相当するというニューモデルではいかでか!?

    わあ、すごい! 27秒で答えが出てしまいました。

    AIは、発想力においても(少なくとも数学においては)かなり賢くなっているようです。本当にすごい。2ヶ月前にできなかったことが、もうできるようになっている。指数関数的な知能の進歩です。

    わたしが、2ヶ月前にできなくて、今できるようになったことって——。ぱっと思いつかないのが辛いところ。

    あ、でも、最近、YouTubeのショート動画を挙げるようになりました。最近は、それもあってブログの投稿頻度が少なくなっています。

  • 生産性は時間に比例しない

    金曜は始めてポルトガル料理を食べました。大学の先輩に「日本人の口に合うから」と連れていってもらったのですが、とても美味しかった。

    大きなタコの料理が良い感じに塩味が効いていて美味でした。それから、シュラスコみたいなビーフの串刺しも美味しかったし、バケツみたいなのに入ってサーブされた海鮮リゾットは、エビ・イカ・ムール貝・アサリがたっぷり入って、食べ応え十分。リゾットは全然食べきれなかったので、お持ち帰りして、翌日も美味しく食べました。このお店にはあと3回くらい行きたいです。

    土曜はチジックに行きました。てくてく道路を歩いていると、道路が冠水していて歩けなくなっている。これでいいのか、ロンドンのインフラ。

    テムズ川と道路が完全に一体化しています。危ない危ない。

    日曜はカナリーワーフに行きました。ここはやっぱり東京の品川か丸の内あたりを彷彿とさせるので、一番落ち着く。何が一番いいかって、東京駅みたいな感じで地下にショッピングセンターが広がっているのですが、空調がちょうど良いのです。ロンドンは夏は空調が効きすぎていて寒いし、冬は暖房が効いていなくて寒いしで、もう寒さとの戦い。たぶん北ヨーロッパ人にはちょうど良いのでしょうけれど、わたしには寒い。

    カナリーワーフは綺麗だし、高所得社が住む高層マンションが多いので、ソーホーみたいに怒鳴り合っている人もいないし。日曜にカフェがもう少し長く開いていてくれたら文句はないのだけれど。日曜カフェが18時に閉まる問題とは永遠に戦い続けないといけなさそうです。

    最近、改めて気づいたことに、作業量や生産性って、時間に比例するものではないのだということです。だらだらと6時間作業するよりも、2時間集中した方が、仕事がはかどるものです。

    そのため、今週末は毎日どこかしらに外出していましたが、そこそこプロダクティビティが高かった。移動時間を無駄と考えたり、カフェ代をケチったりして、家でだらだら作業するよりも、そのような時間や費用のロスがあっても、自分が集中できる環境に身を置いた方が利点が多いようです。ちょっと地下鉄乗って、少し散歩して、リフレッシュして、また集中というのがちょうど良い。

  • 『ワーホリ大変』動画の舞台裏

    今回は、トレンディな「ワーホリの闇」的な動画をあげてみました。トレンディな話題は普遍性がないので、動画を作り込んでも、1年もしないうちに価値がなくなってしまいます。なので、生存バイアスの話やビザが必要な労働者として働く現実といった話題も盛り込み、5年後とかに見る人にとっても少しは価値がある内容にまとめました。

    わたしが話している内容、そして、ここで書いている内容は、わたしが1年以上イギリスに住んで、ワーホリで渡英した人について見聞きした情報からの考察です。アンケートをとったり、包括的な調査をしたりはしていません(物理的にほとんど不可能ですし)。

    まず、ワーホリは、夢がある人向けの制度ではないと思います。多くの人がイギリスの会社で働きたい、何なら就労ビザをもらって長くイギリスに住みたい、と夢を持ってワーホリに来るのですが、現実は厳しいです。多くの人が求めるオフィス業務、事務作業の仕事は見つけづらい。もし、見つかったとしても、産休などの社員のポスト補完の短期契約か、そうでなければブラックである場合が多いです。

    ロンドンでは驚くほど多くのワーホリから就労ビザを得られた人と出会います。これは、生存バイアスといえば、それはそうなのだけれど、彼らに共通しているのは「日本だったらもっといい仕事があっただろうに」ということ。

    レストランやショップなどとの単純労働でも就労ビザは取れます。しかし、38,700ポンドの年収がなければ、会社はビザのスポンサーにはなれません。そこで、どうやって就労ビザの要件を満たすかというと、時給や月給を上げるのではなく、ほぼ最低賃金に近い給料のまま、長時間労働をすることで、収入の要件を満たすのです。そのため、週に62時間程度の労働が必要な計算になります。これは、週5で12時間以上の労働です。

    YouTubeに動画を投稿するにあたり、他のワーホリ系ユーチューバーや海外生活を発信しているチャンネルをリサーチしていたのですが、最初はキラキラとしたイギリス生活の様子を発信していても、途中で投稿を辞めている人が非常に多い。特に、就労ビザを得てイギリスに在住している人で、キラキラライフを発信し続けている人は、わたしがリサーチしたかぎりではいません。

    就労ビザで渡英して、ロンドン生活を満喫している日本人もいくらかいますが、駐在を除いたら、それは日本でロンドン現地で働く仕事を見つけて、ロンドンで働いている場合でした。

    ビザをスポンサーする企業には、日系も英系もありますが、日本人を雇うのは圧倒的に日系または日本に関連するビジネスを行っている会社なので、日本人から聞くブラックブラックしている企業は日系ないしイギリスに永住権を持っている日本人が経営している話をより多く聞きます。日本人が日本人を搾取しているんですよね。

    一方、日本人以外の外国人労働者の酷い話もたくさん聞きましたが、それは英系企業に多いように思われました(サンプル数は少ないので信憑性には疑問アリ)。つまり、インド人の雇い主が同じインド人労働者に対して過酷な労働を強いるようなケースといった例はあまり聞かれません。むしろ、そのコミュニティ内で助け合っているような印象を受けました。でも、外国人労働者がイギリス人に雇われると、搾取されるような場合が多いようです。

    日本でも助け合うようなコミュニティはあります。例えば、わたしには日本の出身大学の校友会組織がロンドンにありますし、駐在の人たちは駐在の人たち同士助け合っているようです。でも、雇用者と被雇用者という構図では、助け合う関係にはならないようです。まあ、これはロンドン特有の現象というわけではなく、日本でブラック企業に努めている状態と同じですね。ただ、ロンドンでは、日本人は外国人であり、外国人はえてして弱者またはマイノリティであり、日本人が就ける仕事が非常に少なく、転職しづらい状況があるという点は考慮するべきかもしれません。

    就労ビザをもらってブラック企業で働いている人は、「とりあえず永住権が取れるまで5年は我慢する」と言っています。でも、5年、単純労働者として働くことで得られるものは非常に少ない。それならば、日本で仕事をして、5カ年計画でロンドン赴任を狙うほうがよいのではないかと思ってしまいます。そしたら、キャリアに繋がります。たしかにスキルや知識や才能は必要ですが、ワーホリをする度胸がある時点で、そのポテンシャルはある人たちなのではないかとも思います。

    一方、完全にキラキラハッピーワーホリを楽しんでいるのは、社会人経験がそれなりに長くて、資金に余裕を持ってワーホリで渡英して、語学学校に行ったり、旅行をしたりして、週3、4日疲れない程度にバイトをして、1年程度人生の休暇として海外生活を楽しみ、帰国しようと思っている日本人です。

    ワーホリは若者が単純労働をしつつ文化的交流をするためのものなので、これが本来のワーホリの在り方なのではないでしょうか。「イギリスに住み続けたい」「イギリスで夢を叶えたい」と思っている人が、ブラック企業の餌食になってしまいやすいのだと、わたしは分析しました。

    また、イギリスのワーホリ(YMSビザ)においては、就労の制限がありませんが、これはイギリス人が働きたがらない単純労働者の補完という意味合いが強いように思います。今年、イギリスのワーホリの定員が増員されましたが、これは(イギリス政府の真意はわからないけれど)ブレグジット後の慢性的な単純労働者の不足を補うことができ、かつ絶対に2年で帰国してくれる良質な労働者が欲しかったからではないかと思っています。ファームが人手不足のオーストラリアのワーホリもその傾向があるかも。

    イギリス、特にロンドンは物価が高いので、バイトをしながら夢を追う活動をしたり、出稼ぎワーホリと称して貯金のために単純労働をするのは、かなり厳しいと思います。それこそ、生活水準を下げまくらないといけません。例えば、バス・トイレをかなりの大人数と共用したり、ひとつの部屋をルームメイトとシェアしたり、毎日自炊をしたり。自炊には時間がかかりますし、自炊をしないならば栄養のある食事を取れなくて体調を崩してしまいかねない。そしたら、キラキラライフや夢を追って努力するのは厳しい。

    20代前半で渡英した人の多くは、十分な資金を準備して渡英していない場合が多いので、デポジットが払えなくてまともな賃貸の契約ができない、2ポンド1斤のパンで1週間食いつなぐ、なんて状況のようです。ワーホリでロンドンに住んでいる日本人を見ていると「これは完全に貧困層だ」という暮らしぶりの人が多い。日本だったら、普通にサラリーマン・OLをしているような人たちがです。

    これは、わたしにも当てはまって、employeeとしては、日本の方がはるかに仕事を見つけやすいし、キャリアに繋がる仕事ができるし、日本での生活で日本円でのみ換算するならば給与水準に対しての生活水準は高いです。でも、わたしは会社員になりたいと思ったことはないし、新卒からフリーランスだったし、キャリアにも興味がありません。でも、キャリアを欲していたら、ワーホリには来ていませんでしたし、海外で働きたかったら、海外赴任の可能性のある仕事を日本で探していたと思います。

    動画内でも少し触れているように、わたしは元々、大学院進学のために渡英するつもりでした。でも、大学合格、いざ渡英しよう、という段階になって、急に1ポンド180円になってしまいました。わたしが渡英を考えていたときは1ポンド140円程度。最高でも160円程度にしかならないだろうと思って渡英費用を計算していたので、学費も寮費も何から何まで10%〜20%の「値上げ」です。地方の大学だと、バイトを見つけるのも難しい場合が多いと聞きます。当時の自分に「渡英をすると決めた時点でポンドに換金しておけば良かったのに」と伝えたいですね。

    急激に円高に戻るはずもないけれど、いろいろな意味で日本で住み続ける、働き続けるのは限界でした。そして、イギリスの大学は合格さえしていれば、ほとんどの場合、入学金(デポジット)を払わなくても入学延期を申請できます。そこで、ワーホリビザでとりあえず渡英だけは決行することにしました。

    わたしがワーホリビザを申請した当初は、イギリスのワーホリは抽選で狭き門だったのですが、はじめからワーホリに当選したら、学生ビザではなくてワーホリビザ(YMSビザ)で渡英しようと思っていました。YMSビザは就学就労に制限がないので、フリーランスとして活動したり、学生ビザの週20時間以上働きたいと思えるようなバイト先があったりした場合、融通が利くからです。

    ワーホリに当選しなかったら、たぶん渡英を延期していたと思います。でも、円安になったのは不幸中の幸いで、もし今後、大学院に進学することがあったとしても、わたしが合格していたコースには行かない可能性が非常に高い。というのは、AI、とくにLLMの進歩によって、不要または非常に需要がなくなりそうな分野だからです。

    わたしが大学院に出願した当初は、まだChatGPTは3.5のモデル。「AIってまだこんなものか」「ライターは当分なくならないな」と思っていました。そのため、GPT-4.0が出ても、有料ということもあって、放っておいたのですが、周りのIT系で働いている人たちが「すごい」「やばい」と口を揃えて言うので、課金して利用してみると、同じメディカルライターの同僚よりもはるかに優れていて役に立つと思いました。

    コンピュータの登場前後、インターネット前後で非常に仕事の在り方が変わりました。何なら、電卓ひとつ、エクセルひとつとっても、これらがわたしたちの仕事に与えた影響は非常に大きい。そのため、これからはAIがあること前提で進路や仕事を決定する必要があります。そのため、わたしが進学しようと思っていた大学院のコースにも(相当な心境の変化がない限り)行きません。

    最期に。今回のロケ地のメインはロンドンのFulhamと呼ばれるエリアです。サッカー好きならばクラブチーム名として知っているかも。でも、Fulhamエリアにある有名フットボールクラブといえば、映像にも少し登場するチェルシーです。チェルシーFCには、はじめてイギリスを訪れた(たぶん)2014年に観光で行きました。10年ぶりの再訪でした。

    冒頭はトラファルガー広場で行われたジャパンマツリです。ジャパンマツリでは知り合い以外には声をかけられなかったので、まだまだわたしの知名度は低いということですね。笑 もっと頑張らないと(何を頑張る?)。

    当時はモウリーニョが監督。ランパードとかトーレスとかダビド・ルイスとかいますね。イギリス人のおじさんに写真を撮ってもらったのですが、その人にそのままパブでおごってもらいました。今はそんなことあり得ないですね。10年前のロンドンは今よりはるかにフレンドリーな人が多かった印象です。それか、わたしが年取ったから、そんなことがなくなったのかなあ? あ、でも、先日パブで21歳の男の子にナンパされました。お互い年齢聞いてびっくりでしたね。
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