サイエンス

近況報告

ライターはAIに取って代わられます

最近はAIについてリサーチしたり、本を読んだりしていました。 AI技術の進歩は目覚ましいものがあり、私はその進化には肯定的です。AIによって、私たちが日々行っている労働から解放され、もっとクリエイティブで意義のある活動に集中できる日が来るかもしれません。それはまるで、人間が遊んで暮らせるような未来が訪れるかのような希望を持たせてくれます。 しかし、このような未来が実現するためには、大きな社会的な変化が必要です。たとえば、AIによる労働の自動化が進めば、政府やそれに準じる機関がベーシックインカムのような制度を導入することになるでしょう。これは、全ての市民が基本的な生活を送れるようにするための一歩と言えますが、同時にこれらの機関が持つ権力の悪用が懸念されます。 私たちが望む未来は、AIが人間を幸せにするための「希望」であるべきです。そのためには、政府や権力を持つ組織が「善」であり、信頼できるものでなければなりません。しかし、歴史を振り返れば、権力が腐敗することは珍しくありません。そのため、このような未来を実現するためには、私たち自身がより良い社会制度の構築に積極的に関わる必要があるのかもし...
サイエンス

文学ではマネをしたら「盗作」だけど、科学はマネをし合って発展する

今、わたしたちにとって宇宙が膨張しているというのは常識です。 しかし、アインシュタインの時代には、宇宙の大きさは一定で、宇宙が大きくなったり、小さくなったりはしない「定常宇宙」という考え方が一般的でした。アインシュタイン自身、定常宇宙を支持していました。 しかし、ルメートルというベルギー人の科学者は、宇宙は膨張しているという理論を構築し、さらに、自身の理論を検証し、実際にそれが正しいと証明しました。 宇宙が膨張しているということを調べるためには、ふたつの星の距離と、その星が互いに遠ざかるスピードを観測する必要があります。 アメリカ人の天文学者にヴェスト・スライファーという人がいますが、彼は遠くの銀河から来る光のスペクトルを測定し、その観測結果をだれでも使えるように公表していました。 そこで、ルメートルはスライファーのデータを用いて、「宇宙が膨張している」ということを証明したのです。 これがサイエンスの非常に美しいところだと思います。先人の知恵やデータを参照して、新たな発見を行います。 情報を公開し合ったり、論文やデータを引用し合ったり、そういうことが科学を発展させます。むしろ、それをし...
サイエンス

もうすぐヒトが死ななくなる時代が来る

先日のブログで、原始時代か大航海時代直後くらいに生まれたかったと書きましたが、一方で、現代も捨てがたいと思っています。 21世紀はサイエンスの時代です。こんなに科学が指数関数的に発展している時代に生きることができて、本当に幸運だと思います。 まあ、欲を言えば、2020年くらいに生まれたかったですが。たぶん、そのうち再生医学とか生物工学とかの発達により、生物は死ななくなるか、「死」の定義が変わると思うんですよね。 できれば、中年や老年で死ななくなるよりも、若いときに死ななくなりたかったな、なんて思ったりします。これも、アンチエイジングの技術により、解消されるかもしれませんが。 まあ、このあたりは倫理的な問題も絡んでくるので、いろいろ難しそうですが、理論上は自分のクローンを作成して、臓器を入れ替えることによって、体を常に若く健康体にしておけば、永遠の命を手に入れられます。 まあ、脳細胞を入れ替えてしまったら、記憶が継承されないというデメリットがあるので、そうなったら、果たして「その人間のアイデンティティは?」という問題にも直面しますが。 このような考察を科学者がまとめた本として、以下が面白...
サイエンス

ブロッコリーの味の感じ方は遺伝子で決定される

昨日はイギリス人の友人をフラットに招いて日本食でおもてなししました。 ロンドンでは、おいしいものをレストランで食べようとすると高すぎるので、お互いの家に招いて手料理を振る舞うのが一般的なのだろうと理解しています。というわけで、わたしもやってみました。 日本でも田舎ではこういう文化は残っていますが、若者の間では珍しいのではないでしょうか。学生の宅のみ、鍋パ、タコパを除いては。イギリスでは仕事が終わるのが早くて、料理をする時間があるのも、人を家に招いてディナーをする習慣がある理由でしょうね。 そういえば、カナダでもけっこうゲストを招いて夕食している印象だったので、欧米文化全般こうなのかしら。 まあ、ともかく、日本食を振る舞ったのですが、作ったのは焼きうどんと親子丼です。手抜きですね。 しかし、まあこれが好評でした。親子丼は10段階評価で8.5と言われました。なんて舌が肥えていないんだイギリス人…… わたし的には4.5くらい? 写真は(いつもの如く)取り忘れたので、数週間前に自炊したときのものを貼っときます。 左に添えているのは、tender stem broccoli、和訳すると「柔らかい...
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ブルーバックスが大好きで100冊くらい持っている

わたしは講談社から出版されているブルーバックスという科学系の新書シリーズのファンです。 ブルーバックスは、基本的にその分野の第一人者によって著されているシリーズで、他の新書がそうであるように、その分野の知識がない人でも理解できるように書かれています。 ブルーバックスは理系の人ならば一度は読んだことがあるのではないでしょうか。 一部、サイエンスライター等が執筆している本もありますが、基本的には科学者・研究者が著者です。そのため、情報の正確性という面で非常に信頼性が高いです。ただ、科学者はライターではないので、わかりにくい本もあります。 わたしは(自称)サイエンスライターですが、強い分野と弱い分野があります。 例えば、力学は全くわかりません。F=maという公式しか知りません。ただ、この程度の初学者でも、ブルーバックスならば力学の書籍を楽しめます。 ブルーバックス以外の科学系の書籍の場合、偽の情報や筆者の解釈ミスが多々散見されます。 自分の強い分野だったら、間違いに気づけますが、そうでない分野だったら鵜呑みにしてしまいかねないから非常に危険。 本に書かれている情報が正しいとは限りません。 イ...
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JAXAを見学してきました

今日はJAXAの見学に行ってきました。正式名称は「宇宙航空研究開発機構」とのこと。日本のNASAのような機関ですね。 一般向けの展示があって、予約なしで無料で見学できます。今日は平日で十数人しか見学者はいませんでした。夏休みとかは子どもで混むらしい。 2時間おきくらいに展示の解説のガイドも行われています。これも無料です。私はこのガイドには参加せず、JAXAの研究員の友人・M氏にガイドしてもらいました。これも無料でした。 ハヤブサ リアルな人工衛星が展示されています。本物もあります。人工衛星は打ち上げに失敗したときのため、1度に2機作ることがあるらしい。そして1機目が無事打ち上げ成功したら、もう1機はいらなくなるので、展示室に飾られることになる。 片や宇宙へ飛び立ち、使命を果たして、宇宙の藻屑となり、片や地球の安全な展示室で一生を過ごす。どちらが幸せなのでしょうね。 ちなみに、人工衛星を宇宙の藻屑にするとスペースデブリと呼ばれるゴミになります。このようなスペースデブリは非常にたくさんあって、何億円もする人工衛星に衝突する可能性もあって非常に危険。 M氏によると、スペースデブリを除去するに...