ロンドンに来てびっくりしたことは、地下鉄で電波が入らないことです。
地下鉄に乗っている時も電波は入らないし、地下にあるプラットフォームでも電波が入りません。
だから、慣れるまでは大変でした。乗り過ごしたり、逆方向の電車に間違えて乗ってしまったりしたら、再度ルートを検索することができません。
イギリス人に聞いたら「とりあえず、次の駅で降りて、路線図を見る」とのこと。なんと原始的。
電車が遅れた場合、待ち合わせをしている人に「電車が遅れてる! 遅刻する!」と連絡することもできません。
そのため、地下でも電波が入りやすいという噂の通信会社のSIMカードを試してみたり、地下鉄用のWi-Fiを試してみたり、いろいろしましたが、どのサービスもそれほどよろしくない。ソリューションはないようです。
もう諦めました。慣れるしかないようです。
ロンドンの地下鉄は東京の地下鉄と比べたらはるかに単純なので、東京都民ならば1ヶ月あれば慣れます。本当に、東京メトロとか都営地下鉄とかJRとか私鉄とか、もうやめてほしい。複雑すぎです。1年か2年したら慣れましたけど。
東京の地下鉄・電車の中では、9割以上の人がスマホを触っています。
しかし、ロンドンの地下鉄では電波が入らない。
では、Londonerたちは地下鉄の中で人々が何をしているかというと——。
本を読んだり編み物をしたり。人々は電波がなくてもできることを工夫しているようです。
一番多いのは、スマホで音楽(またはオーディオブック)を聴くことだと思います。でも、これも東京とは異なっていて、東京の電車内では、スマホを触りながらの「ながら聴き」だと思いますが、ロンドンでは音楽に集中している人が多い印象です。
ロンドンに住みはじめたとき、紙の本を持ち歩いている人が非常に多いのを不思議に思っていました。イギリス人は読書家なのかと思ったりもしました。
でもたぶん、地下鉄で電波が入らないから、本を読む人が多いんだと思います。
いまだに紙の新聞紙もたくさん売られています。アナログだなと思っていましたが、これもおそらく地下鉄で電波が入らないことが一因かも。地下鉄内では、新聞紙が散乱しているのを目にするのも多いです。「新聞紙は持ち帰りましょう」というアナウンスが流れることも。
電波がないという「欠如」が、このような有益さや娯楽の他の選択肢に繋がっているんですよね。
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